のんたく

近頃残尿感激しい足草です
今日はアシ君が帰ってくれたので、安心して更新ができます
なんでしょうこの余裕は。
日付が変わって何一つ片づいていないのに。
今回は少しわかりにくいカモしれません。元ネタを知らない方には。
同世代なら知ってますよね?

恋文指名をいただきました。ありがとうございます
これについてどうコメントしていいのかわかりませんが
とにかく光栄に思っております
ナルシストを地でいく僕なので、自分自身に書こうかな



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デコリーーーン!

真夜中の校舎三階、女子更衣室。
例によって僕は「おでこの眼鏡」を眼前に落とした
呪文の声が少し大きかったので周りを警戒したが、大丈夫なようだ

「っていうか、今どき青フチの眼鏡はないんじゃないの?タージンじゃないんだから」

出鼻を挫くように、壁のジャージ(下/二年用)が突っかかってきた

「そうよ。その眼鏡、自分でダサイと思わないの?」

ベンチの下に落ちているブルマーが相槌を打つ。埃まみれの青いブルマーには言われたくない台詞である
ブルマーには「下村」というネームが入っていた
クラスで最も不細工な女の名前だ
僕はそのブルマーを遠くへ蹴飛ばした

「ま。非道いことするわね。名前を見たとたん蹴飛ばすなんて。
だいたいなあに?あたし達に向かって鼻息荒くしちゃって。気味が悪いったらないわ」

ジャージ(下/二年用)が裾を振り回しながらテンポ良く喋っている

「よく見たらあんた、髪型もモサイわね。服装だってセンスのかけらもないし
モテないのがバレバレよ。ああ、そりゃそうか。モテていたら一人でこんな所へ来ないものね。
真夜中に女子更衣室へ忍び込むなんて、暗くて気持ちの悪いむっつり君のあなたくらいしかいないわよ」

「的を得すぎて何も言い返せないです……」

ここで「眼鏡」を使ったことを少し後悔した。ここまでボロクソに言われるとは思っていなかったからだ
僕が小さい頃眼鏡を使ったとき、「モノ」はみんな僕に優しくしてくれたものだった

「何?そのモジモジした態度は。普通ならここで母性本能でもくすぐられるものだけど、
あんたのモジモジは気持ち悪いだけよ」

相手はたかがジャージ(下/二年用)だ。どんなに罵倒されようともいちいち挫けていたらどこへ行っても僕はだめな奴のままであるなと思った

「ところであの……」

「言わないで。分かっているわ。あんたの言いたいことなんて」

ジャージ(下/二年用)は右手で僕を制し、悪戯な目で僕を瞥した

「あたしが誰のジャージか気になっているんでしょう?」

図星だった。今回の目的は一つ。このクラスの、更衣室というバトルフィールドで
クラスのアイドル「あけみちゃん」のジャージをGETすることである

「誰のだと思う?うふふ。教えてアゲナイ。だってあたしが誰のものか教えて、
それがもし下村さんのジャージだったとしたら、あなた、あたしをあのブルマーみたいに
蹴飛ばすのでしょう?」

確かにそう思うだろうな。ジャージ(下/二年用)にもブルマーと同じ末路を歩む可能性を示唆したのは僕だ
どこまでも馬鹿な自分に嫌気がさす
僕はしょんぼりしてうつむくしかなかった

「もしあたしがあなたの探しているジャージだったらどうするのかしら?
頭からかぶる?それともちんちんに巻き付けるの?ノーパンで履くことだってできるわよ」

僕は悩んだ。どれも捨てがたい大技である
僕が唸って悩んでいると、ジャージ(下/二年用)は呆れたように溜息をついた

「あんた、本当に馬鹿ね。その行動で悩むってことはどれもやってみたいっていうことじゃない。
そんなことされてあたしが喜ぶとでも思うの?」

「……嫌なんですか?」

「当たり前じゃない!!あたしは体操用に生まれてきたのよ。あなたの“ハァハァ”のためにあるんじゃないんだから!」

「……ということは……」

「そうよ。あなたに教えられることなんて何一つないわ。おとなしく帰って、お菓子系エロ雑誌でも読んでなさい」

「いやでも僕……ここで帰るわけには……」

「何よ!あんたが興味を示しているのはジャージの持ち主で、あたし自身じゃないんでしょう!?」

今度はジャージ(下/二年用)がうつむいて黙ってしまった
それが何故なのか僕には分からない。
あんなに怒っていたジャージ(下/二年用)はそれっきり喋ろうとしない
それじゃあ、ということで、
僕はジャージ(下/二年用)に名前が書いていないか確かめるべく手を伸ばした

「ちょ……ちょっとどこ触ってんのよ!」

ジャージ(下/二年用)はその裾で僕の手を払いのけようと暴れた
僕はその裾を左手で押さえ、強引にジャージ(下/二年用)の中に手を滑り込ませる

「あんた自分が何やってるかわかっ……ぅん……」

ジャージ(下/二年用)の動きが止まった
そして僕も動けなくなった
緊張した空気
時間にして二秒かそこらの間だったが、
僕たちには長い長い時間のように感じられた
ジャージ(下/二年用)の中に手を入れたまま中を覗く勇気がなかった
それは名前を確かめられないのではない
ジャージ(下/二年用)に対して、何らかの感情が芽生え始めているからだった
ジャージ(下/二年用)は、顔を赤らめたままうつむいて
目に少し涙を溜めているらしかった
僕は小さな(大きな?)罪の意識に苛まれ、ジャージ(下/二年用)の中からゆっくりと手を出した

「……ごめん」

ジャージ(下/二年用)は無言でゆっくりと頷いた

「な……泣いてるの?……」

無神経に、僕がジャージ(下/二年用)の顔を覗き込む
ジャージ(下/二年用)は泣き顔を見られまいとハンガーを横に捻った

「ううん……ちょっと……びっくりしただけ……」

心なしか、声が震えている
僕はどうしていいのかわからなくて、立ちすくむしかなかった
更衣室にはジャージ(下/二年用)の他にも多彩なグッズがある
にも関わらず、僕はこのジャージ(下/二年用)にこだわっていた
それが何故なのかは分からない
こだわっていたことに気が付いたのも、今この時点で、なのだから
シンとする更衣室は、不気味なものだった
微かに聞こえるのは、ジャージ(下/二年用)の啜る鼻の音と、少し乱れた息づかいだけだ
いくらか時間が過ぎて
ジャージ(下/二年用)が大きく息を吐いた
そして僕を上目遣いで見つめてくる
何か言いたそうに口を少し開き
声を出す息を吸い込んでは、苦しそうに飲み込む

「……どうかした?」

僕がそう尋ねると、ジャージ(下/二年用)は深呼吸してから
ゆっくりと口を開いた

「少しだけなら……いいヨ」

最初、意味が分からなかった
しかしよくよく考えてみると、僕のジャージ(下/二年用)に対する願いはただ一つである
名前を見せて貰える
そう思い、僕はまたジャージ(下/二年用)に手を伸ばした
爪の先がジャージ(下/二年用)に触れる

「やっ優しく……」

僕は慎重に、ジャージ(下/二年用)の中に手を入れた
そして生地の裏を隈無く探した
名前を探しながら、だんだんどうでも良くなってきた
誰のジャージであっても、どうでもよかった
このジャージ(下/二年用)は、誰でもないからだ
名前を見つけたが、歓喜も落胆もなかった
僕はジャージ(下/二年用)からゆっくりと手を出した

「名前は……見つかったの?」

僕はジャージ(下/二年用)を無言で見つめた

「蹴飛ばしたり、ちんちんに巻いたり、もって帰ったりしなくていいの……?」

ジャージ(下/二年用)は先までと違う、甘い声色をしていた
声が震えているのは、さっき泣いていたからだなと思った
少し切なくて、少し悲しくて、何かが胸を締め付ける……

「名前は、なかったよ」

嘘をついた僕は、更衣室の扉を開け
ジャージ(下/二年用)に少し微笑んでから
眼鏡をおでこへと上げた





元ネタが分からない人、ごめんなさい
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by gennons | 2004-11-19 04:02 | 妄想
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