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富士山は鳴り響く

「近くで見ると富士山って大きいですね、ガイドさん」

「そんな当たり前のコメントを言われたお客様は初めてでございます」

「うわ!あなたはダー○ッツ田中さん」

「左様でございます。本日は富士山ツアーのガイドをつとめさせていただきます」

「もの凄く不安ですが」

「ご心配には及びませんこう見えても私、漢字検定二級を携帯しておりますから」

「全然関係ないですね。しかも携帯してるのですか」

「本日の登山は霧も深く、大変危険ですのでこの煙草大の旗を目印に付いてきてください」

「それじゃあ見えませんよ」

「おっとお客様、右に行かれると崖でございますよ」

「あぶねー!もっと早く教えてくださいよ」

「今のは冗談でございます。本当の崖は左側です」

「左に動きかけたじゃないですか。殺す気ですか」

「さて、そんなこんなでもう六合目です」

「早いですね。展開が」

「そうです。もう後にも先にも進めません」

「それって遭難してませんか?」

「失礼なお客様ですね。あなたどこ中ですか?」

「中学は関係ないでしょう。完全に喧嘩売ってますよね?」

「登山素人のお客様は、黙って私に付いてくれば良いのです」

「無性に腹が立つのですが」

「あ、大切なことを言い忘れていましたが、本日ここの山は爆発します」

「じゃあこれ、自殺行為じゃないですか」

「そうです。周りをもっと見てください。私たち以外に登山者がいないでしょう」

「そんな山に登らせないでくださいよ」

「これも宿命です。ここまで来たら受け止めましょう」

「あなたと心中なんて嫌ですから」

「こっちこそご勘弁いただきたい」

「それあなたが言うべきじゃないでしょう」

「そろそろ八合目あたりです」

「なんだかんだ言いながら登っているところが恐いですね」

「本日は富士山の火口を見届ける予定になっておりますので」

「あんなところ入れないでしょう」

「本日は特別に監視員等々、退席願いましたのでお客様のプライベート火口となっております」

「それ避難しているんですって!」

「それはもう、マグマの滴一滴まではっきりとご覧になれます」

「その前に死んでますから」

「そろそろお客様、頂上に近づいてきましたが、言い残すことはありますか?」

「死ぬみたいじゃないですか」

「火山が爆発したら死ぬでしょう。お客様、頭悪いなぁ」

「富士山が爆発したらここにいなくても死にますよ」

「そうですね」

「あ、爆発って嘘でしょう」

「ばれましたか。でもそれじゃあお題をまっとうできないのです」

「何の話をしているのですか?」

「そろそろお客様、火口が見えてまいります」

「本当に来てしまいましたね。突き落としたりしないでくださいよ」

「この火口、実は穴が空いておりません」

「それじゃあ火山じゃないでしょう」

「そううです。なのでもっと覗き込んでも大丈夫ですよ」

「それって落ちないってことですよね」

「ご名答です」




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これは敬愛する作品に贈る賛辞の証です。
なんちて。
でも難しかっったです。オリジナルにはほど遠いものになってしまいました。

従ってこの記事はTBしません。選考対象外です。
TB選考用の記事は明日中に書き上げますのでよろしくです。

ちなみに言うと、これをもって100ポストになりました。
改めて彼の凄さに圧倒されます
でも反アイス同盟は脱退しません。
by gennons | 2005-01-28 03:41 | 雑記
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