ヘヴン

巡回も更新もコメントもしていません。
忙しいからとか言って今まで誤魔化してきましたがあれ嘘です。
本当は無職です。
家でビデオとか見てます。
ブログは飽きつつあります。
こんな気分の日は、ボツネタでもアップして気を紛らすことにします。
カラーさんのオフレポをアップしようとも思いましたが
加藤鷹「秘戯伝授 最終章」を読んで指の修業をしたためタイプができません。
ご了承下さい。


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仕事でヘトヘトになって帰宅すると、玄関のドアに小窓とプレートが付いていた。

“会員制”

なんだこりゃと思って部屋番号を確かめたのだけど、間違いない。僕の家だ。
誰かのいたずらかなと思い鍵を差し込んでみたのだけど鍵は回らず
どうしたことかとドアをガチャガチャやっているとスコンと小窓が開いた

小窓から覗く真っ黒な肌に真っ黒な眼は僕の全身を舐めるように見ている

「だ……誰ですか。人の家で」

「ミブンショウメイショ」

……小窓の男はカタコトの日本語で何か言っている。
僕が「は?」と聞き返すと男は小さく溜息をついて

「ミセイネン、ハイレナイヨ」

と言った。いや、確かにここは自分の家だ。
自分の家に入るのに何故身分を証明しなければならな……というか誰だよこいつ。
僕は苛立って少し考えてから

「ここの家主だけど」

と強い口調で言った。
すると小窓はスコンと閉じて、ガチャリとドアが開いた。
小窓の男は大柄な黒人で、真っ黒なスーツを着ている。
僕が訳も分からないまま玄関に足を踏み入れると、男はにやりと口を緩め

「ウェルカムトゥヘヴン」

と流れるような発音で言った。
玄関には本来あるはずの下駄箱や靴や傘立てなどはなく
ピカピカのタイルが敷き詰められている。
なんだよこれはと呟きながら部屋を見渡したが、
僕の部屋であった痕跡は微塵も感じられない。

天井からはミラーボールがぶら下がっていて、
台所はバーカウンター、奥はステージになっている
ステージからにょっきりとはえた鉄棒に、
金髪のダンサーがきわどい衣装でくるくると踊りながら僕に目線をくれているようだ。

ベッドも、ちゃぶ台も、パソコンも、僕の所持品は一つも見当たらなくて愕然とした。
部屋の奥に進むと、数人の白人がビリヤード台でカクテルを飲みつつ談笑している。
余りにも様変わりしてしまった自分の部屋に僕は混乱し、
六本木より凄いな……なんて馬鹿げた呟きと共にコートを脱ぐと
巨乳美女がコートを預かってくれた。

混乱する以上に疲れていた僕は、ビールでも飲もうと思い台所否、バーカウンターに行くと
彫りの深い平井ケンみたいなバーテンダーが、サムシンドリン?と聞いてきたので
僕はビールといってカウンターの椅子に腰掛けた。
バーテンダーはサーバーから生ビールを注いで僕の前に置き

「ナナヒャクエン」

と言って手を出してくる。
金まで取るのか……
僕は財布から千円札を出して渡し、ビールを一気に流し込んだ。
疲労のせいでビールは回るし、眠気も非道い。
軽快なダンスミュージックと英語の会話。
頭が痛くなってきてどこか眠れる所を探しているとビリヤード台の向こうにソファを発見した。
僕はグラスを持ったままふらふらとそこまで行ってソファで横になり、目を閉じる。
悪い夢でも見ているのだなと思いながら意識は遠くなり、
ダンスミュージックだけが妙に頭に響いていたがソファの感触も気持ちが良かったのでそのまま眠りについた



ダンスミュージックは夢の中でもずっと響いていて、
ハッと眼を覚ますと何故かまだ僕はソファで横になっているし、音楽も鳴りやんでいない。
ビクッとして足元を見ると、昨晩ステージで踊っていた金髪の女がタバコを吹かしていて
女はこちらに視線を向けるとゆっくり僕に覆い被さりそして僕の鼻先をぺろりと舐めてから

「グンモーニン」

とこれまた流れるような発音で小さく囁いた。
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by gennons | 2005-03-05 15:34 | 妄想
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