朝、顔を洗っていたら、右手の指が細いことに気が付いた
不思議な違和感を胸に、僕はタオルで顔を拭き、 もう一度じっくりと右手を見つめた それは、綺麗な女性の右手になっていた 腕は細く、しなやかに僕の肩から伸びている 掌も柔らかで、指先までが白く、透き通るようだ 爪を見ると、それはとてもよく手入れされていて、つるつるに光っている 僕は数分の間、肩から伸びた誰かの手に見とれ立ちすくんでいた 僕はその手で自分の顔を撫でた 程良く冷たい指先。 こめかみから頬を伝い顎へ、首筋を通って鎖骨に指を引っかけた すべすべの指と掌が、僕のざらざらした顔を撫でる 手が撫で、通り過ぎた肌は、毛穴を震わせ鳥肌を立たせた ぞくぞくした 僕は鏡から自分の姿を除き、手だけを映してみた 柔らかい硝子のようなその腕のラインは 滑らかで、今にも折れてしまいそう これではまるで、女性そのものだなと思った 締まり、膨らみ、締まる。 視覚のリズムが奏でるその手の音楽は、僕にヴァイオリンの音を連想させる 僕は服を脱いだ 全身を隈無く観察し、鏡でも見たが、 右の手以外は、以前の僕のものだった ごつごつとした男の身体から伸びる一本の白い腕 その違和感とギャップに僕は興奮した 右手を使って、全身を隈無くさすり回した 左大腿の付け根から臍、腹筋、脇腹、乳首と 右手は僕の思うとおりに身体を滑り 優しい香りをそこに残してくれる 手を顔面にかざし、大きく息を吸い込んだ 僕のモノではない匂い 柔らかな、心を解かす匂い どろどろになった脳味噌に意識を引きずりつつ 親指を舐めた 親指に唾液が絡まる音 僕の舌は親指から手首を這い腕のまん中までを味わった 舐める悦びと、舐められる悦び 二つの快楽が僕を熱くさせる 掌は、僕のチンコを優しく包むと、隙のない動きを見せた これはもはや、僕の意志だけではなくなっていた 誰かの手で、誰かの意志がある 僕は鏡の前で立ったまま身を痙攣させて果てた 僕は寝室に戻り、いつ腕が生えたのか(または入れ替わったのか)を考えた 何も、思い当たるところはない 頭を悩ませつつ布団をめくると、そこには太い右手が横たわっていた 僕の右手である 何かの拍子に取れ、何かの拍子に生えた女の右手 僕は以前の右手を抱いた 色も、太さも、質感も違う僕の右手 ソレを抱きしめながら僕は泣いた 頬を伝う涙を、細い右手が拭ってくれる 僕は立ち上がり、窓を開けた そして庭に出て、以前の右手に短い別れを告げると 桃の木の下に埋めて土をかぶせた 細い右手は土まみれになってしまった 汚れた右手を見つめながら 僕はこの手と生涯を送ることを決意した
by gennons
| 2004-10-19 20:31
| 妄想
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クラミジア尿道炎なんかの検査に用いられるような極細綿棒を大量購入しました。
キーボードの掃除とかライターの発火口に入った埃取りなんかに使っています。 極細綿棒の使い方についてもっと詳しく知りたい方はメールでも下さい シモキタが好きな人も 嫌いな人も。↓ 最新のトラックバック
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