カテゴリ:妄想( 45 )

景山君のお尻

景山君のお尻は、綺麗だったのかもしれない。
いつもお尻に鞄を当てて歩いていたし、階段を登るときは特に気を付けているようで何度も後ろを振り返るのだ。
お尻を触られたりカンチョーされたりしたときは、
みんなを引かせるくらい大声を出していたし、声を出して泣いてしまうことさえあった。
一度だけ、同じクラスだった村野がプールおわりの着替え中に景山君のバスタオルを剥ぎ取ろうとしたが、
タオルを掴まれてパニックになった景山君は村野の腕を鉛筆で刺し、血が出て大騒ぎになった。
小学生の悪ふざけが彼にだけは通用しなかったのだ。
悪ふざけを真剣に否定してしまう彼の性格は、周りを遠ざける。
小学校を卒業しても、高校に入学しても、彼の周りに友達と呼べる人を僕は見たことがなかった。
誰とも仲良くならない彼にはたくさんの噂が立った。
「尻を犯されたことがあるんじゃないか」とか「いつも漏らしているんじゃないか」「恥ずかしい模様の痣があるのかも」
なんてみんな好き勝手言っていたけど、卒業してばらばらになってしまった今、真相は闇の中にある。
今になって思うが、彼のお尻は綺麗すぎたんじゃないだろうか。
もしも彼のお尻が、昨日おかずにした「蒼井そら」のお尻にも負けないくらい完璧なお尻だったら
それを小学生にして持ち合わせ、意識していたとしたら、隠したくなるんじゃなかろうか。

そんなことを考えながら、景山君に似た取引先の営業マンを尾行して
とうとうトイレにまで付いてきてしまった。
閉ざされたドアの向こうで、景山君似の営業マンはお尻を丸出しにしている。
深い闇に沈んでしまった真相が、ドア一枚を隔ててすぐそこにある。
耳を立てても、ケチャップの最後を使い切るような音が響くだけで、
なぜか蒼井そらの、弾けるような身体と笑顔が頭に浮かぶだけで。



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よだれだらだら病の足草です。
よだれが止まらないので最近流行の「ぐぐる」ってのやってみたんですが
病気なのか何なのか結局わかりませんでした。
ちゃんと読まないとわからないようにできてるみたいです。
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by gennons | 2008-10-21 11:19 | 妄想

アピール



セックスアピールについて考えていた。

ランチタイムは決まって独りだから。
同僚やら上司やらクライアントやらが同じ店でわいわい楽しく食べてるところから少し離れ、
隠れるようにコソコソと、いつものように鮭の西京焼きがくるのを待っていた。
混雑した店で、料理がなかなか出てこない。
そんなときはたいてい折り紙でどこまでも小さい鶴を折ったりなんかしてるんだけど、
今日に限って持ってくるのを忘れた。
たばこでも吸いながら待とうと思ってポケットから煙草を出すと、
禁煙ブームまっただ中の現代でいくら喫煙可能な店でも隣で食事してるのに無神経なやつがたばこ吸い始めるとか原始人なの?頭イカレてるの?素人童貞なの?とか言ってきそうな、足の裏みたいな顔のOLが僕のキャスター1ミリの箱を凝視してきたので
たばこの箱を開けたり閉めたりパコパコと、ささやかなセックス音で反撃しながら料理を待つ間、
セックスアピールについて考えてた。

アピールというほど自発的なものでもないし、
セックスと言うほど直接的でもない。
なので性的魅力と訳すのに違和感が残る。
でもアレは、自らをセックスアピールなんだと言った。僕の部屋の、机の上に現れて。

セックスアピールと言うよりはテニスボールに唇と鼻と、ぱっちり目だけがくっついた
新種のキモカワキャラの類にしか見えないそいつは、
あなたに足りないモノとして贈られたのが私であると言った。

確かに僕は女の子の目を見て話ができない。というかそんなモノに出会わないし興味がない。
だからセックスアピールを感じたことなどない。
そりゃあ、僕に足りないモノがセックスアピールだってことは何となく理解できるけど、
それ以前に足りないモノなんて下水のゴキブリ程あるはずだ。
なぜセックスアピールなのかと問いかけても、
理解の範疇をとうに超えたそいつの存在は、必要以上の言葉を喋らない。
僕からそれ以上、そいつに話しかける義理も理由も見あたらない。
無言のままに、僕たちは見つめ合っていた。

そいつの印象はまあ、とにかく、気持ち悪い。
一言で言うならベルセルクのベヘリット。
わからない人は先生に聞いてみるといい。

そいつは見つめ合っている最中、片目を閉じたり唇を舐めたり、
鼻をひくひく痙攣させたりして僕を誘おうと必死になっている。
僕はそれに応えるでもなく、無視するわけでもなく、ただ眺め続けて夜が更けていく。
こんなにも無意味な夜を過ごす大人が他にいるだろうか。
そう思いながらも、ソレから目を逸らすことができないのは
僕に足りないたくさんのモノの一つを、手に入れたいと思っているからだ。

ソレが突如、僕の机の上に現れてから一週間が過ぎた。
相変わらず僕らは見つめ合う。そして夜が更ける。

ひとつ変わったことは、僕がウインクできるようになったことと、
唇を乾かさなくなったこと。
ソレに対して、できるだけ好意的に、自分の気持ちをアピールできるようになったこと。



1時間くらい過ぎてようやく西京焼きが運ばれてきた。
店員も、僕の存在を忘れ去っていたらしい。
いつものことなので気にしなかったのだけど、味噌汁が来ていないことに気がついて僕は店員を呼んだ。
店員は面倒くさそうに味噌汁を持ってきた。味噌汁の中にどっぷり親指を浸からせて。
ぱっちり目の店員は、ゴトンと乱暴に味噌汁を置くと、親指を舐りながらどうぞと言った。

僕はぎこちない素振りで片目を瞑る。何度も何度も瞑る。
片目を瞑る練習は、毎日怠らなかった筈だ。
アレを贈ってくれた人に、今日、出会っても良いように。






前回のトラぼけのときに書いたんです。
みんなの前でカラオケ歌ったことない弱気な少年が勇気を出して
こっそり曲を予約したけど、その曲のイントロが流れ出した時に
「この曲入れたの誰?誰?」みたいなことになり、
知らん顔してたら間違いかーなんつって消されたみたいな感じで
前回のトラぼけは終わってました。

後日ミクシーとかで
あの時、「秋桜」入れたの僕だったんだよね…
って告白するようなかんじの更新です。暑いです。仕事してます。
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by gennons | 2008-07-15 16:10 | 妄想

毛並み

僕の姿が猫になったあの日、薮野さんはとても悲しい顔をして、そうですか。とだけ呟いた。
みかんには「このほうがかわいいじゃない」って言われて、たぶん彼女なりに励ましてくれたのだろうけど
僕はもうみかんのことを抱きしめられるような長い腕を持っていなかったし、
ひげが固いから顔を寄せて一緒に眠ることもできない。
みかんが食器を一つずつ、新聞紙に包んでは箱に入れて、また包んでは入れる作業を繰り返している間僕は、
いらなくなったカーテンに爪を立てて遊んでた。
暇そうな僕を見かねた薮野さんは僕の前にマタタビを数粒置いて
「やっぱり猫といえばこれだよね」という。
確かにもうみんな僕が猫であることに慣れてしまってはいたけど、
ここまであからさまな猫扱いをうけて来なかった僕は少し戸惑いながらどうもありがとう。
と言ってそれをティッシュに包み自分の箱にしまった。

「東京は空気が汚いっていうじゃない? 具合が悪くなったらここに戻ってきてもいいんだよ」

薮野さんはそう言いながらカレーの鍋を持ってきてくれた。
カレーの香辛料はみかんにとって少しきつかったし、僕が食べると口の周りがべとべとになってしまう。
それでもみかんは眉間にしわ一つ寄せずにカレーのお皿を綺麗に平らげる。
僕は小皿に少しだけ敷かれたルーを舐めて、薮野さんにおいしいですと言った。

引っ越しのトラックの中で、みかんは苦しそうに咳をしている。
薮野のカレーなんか食べなきゃ良かったのに。
思ってもそれは口にできない。みかんが無理をしてでもそれを食べるのは、それがみかんだからだ。
彼女と薮野さんの間には何も無かったけど、
薮野さんがみかんに向けた思いを感じ取れない程僕は馬鹿じゃない。

咳の治まったみかんと僕は、昔行った北海道の思い出話に花を咲かせた。
僕はあの頃が一番幸せだったし、みかんもそうだと言ってくれる。
僕はみかんに向かって「にゃあ」と猫みたいな声で甘えた。

6月の下旬に、みかんは倒れた。
東京の空気が合わなかったことと、彼女の夢であった仕事が、思っていたよりハードだったことが原因だろう。
みかんの仕事場まで迎えに行った僕は、会社の人と短い話をして、みかんと共に家まで送ってもらった。

「君が頼りないっていう訳じゃないけど猫だから。ちゃんと面倒見てくれる親戚とかいないの?誰か近くで知ってる人とか」

会社の人がそう言うとみかんは薮野さんのことを出した。
知っている人が故郷にいますから連絡してみます、としかみかんは言ってなかったけど、
そういう人って薮野さん以外にはいない。
このまま戻ったら、みかんと薮野さんは付き合ったりするだろうか。
薮野さんはいい人で、ルックスもそこそこだ。みかんも薮野さんのことを悪く思っていることはないだろうし、
ゆくゆくはそうなってもおかしくないだろう。
僕の寿命は短い。猫だから。でもみかんだって明日生きているかどうかもわからない。

病院から出てきたみかんは「大丈夫。心配ないって」なんて笑顔を見せてくれたけど、
お医者に何を言われたのか僕には教えないつもりだろう。
僕は病院に入れない。猫だから。

東京の家をそのままに、仙台に戻ったみかんは、すぐに薮野さんの家へ向かった。
その家の隣、もともと僕らがすんでいたアパートは、埃をかぶっていたけど、僕らが出て行ったときのままだった。
ドアが開いて、薮野さんが顔を出す。
家の中に促されたけど、みかんは僕を抱いて立ったまま、すぐに出ますからと言って家にはあがらなかった。
みかんは会社で倒れたこと。もう自分の命が長くないと感じていること。
薮野さんにいろいろお世話になって感謝していること。あの日のカレーはおいしかったことを伝えてさよならを言った。
薮野さんは「これからどうするの?」って聞いてきて
「俺の部屋ならいつでもあいているから」と付け足した。
みかんは、「行きたいところがあるの」と手を振り、僕の頭をなでてから、少し声をあげて言う。

「彼の、とても好きだった場所へ」
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by gennons | 2007-06-14 16:35 | 妄想

去年の犬

その犬は、はっきりとした人語で「私はCだ」と訴えた。

Cと言えば僕が以前付き合っていた彼女の名前で、
ちょうど去年の梅雨時に姿を消した。
当時僕と彼女の間には湿った溝、情こそあれど、恋人としての意識は互いに衰弱していた時期で、突然連絡がつかなくなったり家に帰らなくなったりしたことに対して焦りはしたものの、まあまたいつか戻ってくるだろうと高を括ってのんびり過ごしたままもう一年が過ぎていた。
恋人との自然消滅というものがどれほど一般的なのかは知らないが僕にとってそれは珍しいことではなく、今までの恋愛も全て、どちらが何をというような別れを経験したことは無かった。
そうういうものに慣れてしまっていた自分が、彼女の蒸発にもあっさり諦めてしまえるような今までを形成してきたのだと思っている。

信じる信じないの意思表示をする間もなく犬は、僕がCと付き合っていた頃の思いでを、これが証拠だとでも言いたげに語り始める。

「伊豆で見つけたとろろごはんのお店に、二人でレンタカー借りていったよね」だとか「クリスマスの日は毎年教会に行って、クリスチャンじゃない私はドキドキしながらもあなたの一挙一動を横目で見ながら賛美歌を歌ったり、ろうそくの火をまわしたり、大変だったのよ」など、間違いなくこの猫はTであると、疑う暇さえ与えてもらえない。

僕はそうだね、とかあのときは楽しかったね。とか間の手を入れることくらいしかできず、犬になったCの首をくしゃくしゃとなでてやる。

玄関先でゴミ捨てに行こうとしていた僕は、片手に大きなゴミ袋を下げてCの話を聞いていた。
Cはようやくそのことに気がついたようで
「ゴミ、先に捨ててきたら?」と言ってくれた。

僕はCにあがって待っててもらうように伝え、ゴミを捨ててから月のない夜空を見上げた。空には梅雨らしく、分厚い雲が我が物顔で張りつめていて満月でも出ていたのならもう少しおとぎ話みたいな雰囲気が出たのになぁと思い、
「出たのになぁ」だけ呟いて部屋に引き返した。

「ごめんなさい。熱いのは今飲めないの」

コーヒーを容れる僕の背中に、申し訳なさそうな声でCは言った。

「猫舌って犬にもあるんだね」

そう言いながらCはぺろりと大きな舌を出し、自分の鼻を舐めた。
テーブルの脇にある椅子に「おすわり」の状態で水を飲むCは、まるで以前からそうだったように見える。このまま犬の姿で、人の声で、思考と記憶はCのままでいられるのだろうか。犬を家族のように愛する人が多いのは、僕のような境遇の人が多いからなのだろうか。

風呂はやっぱり嫌いになったようだ。
以前は朝晩の一日二回はシャワーを浴びていたのに、この状態になってからは一度も身体を洗っていないらしい。
いやがるCを押さえながらブラシとシャンプーで身体を洗う僕にCは

「だんだん、人の言葉がわからなくなっていくの」

と言った。僕にはその意味が分からなかった。
今何も不自由無く話し合っているじゃないかという気持ちと、そうできなくなるかもしれないという思いが自分の内側でこじれて僕は、何も言ってやることができない。

二人で同じ布団に入り、僕はまた彼女の話を聞いた。
猫ならまだしも、犬になったばっかりに、警察や保健所の車に追い回されたり、野良犬の社会がもう町に残っていなくて、猫の縄張りで残飯を漁ったり。

Cは延々と話し続けた。

Cの言葉は途中から徐々にあやふやになって行き、最後にはもう完全に犬の言葉になっていて聞き取ることはできなかったが、Tは話すことを諦めず、僕はずっと彼女の言葉にうなずき続けている。
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by gennons | 2007-06-07 15:05 | 妄想

ともしび

暗闇に一筋の光が走る。光は弱く、細いもので、
ここがどんな箱なのかまた、どんな場所なのかもわからない程暗い藍色をしていて
上から覗くあなたの顔の表情も手の色も何もわからない。
たぶんここは引き出しなのだろう。
幾年もの長い間、私はこの引き出しの中で「無」を過ごし、今あなたが私を救い出す。
救い出されたと感じたのは、私が少しでもあなたに関心があったからなのだと思う。
仄暗いあなたの大きな掌が私の身体を包み、軽々と持ち上げ、
頭上に掲げて月明かりに照る私を確かめた。

「服は、脱がないで」

あなたは窓の方に向かって優しく呟いた。
シーツの擦れる音と人の気配、微かに漂う香水。
ゆっくりとした手つきでグラスを飲み干すあなたの口元と、
その向こう側に蠢く華奢な人影が、私の居場所を狭めてゆく。
押しつぶされそうな空気に私は強く目を閉じて引き出しの中の無を思った。

カシュっと乾いた音がして、不意に目の前がオレンジ色に染まる。
目を開けると、よろよろとしたマッチの炎とあなたの手が眩しい。
流れるように、私に火を灯すあなたの胸元が綺麗で、
私は口の中に溜まった唾液を床にこぼしているような感覚に囚われた。
私の身体はまだ、溶けていない。

頭上に灯された炎は、揺れることなくまっすぐに、
あなたともう一つの輪郭を浮かびあげる。
ベッドのシーツは深い緑であなたの身体は少し日に焼けた肌色。
白い肌色とあなたの肌が重なり、揺れて、囁くあなたの声と、
それを切り裂くような高い小さなかすれた声。
あなたの吐息やゆったりとした背中の動きは私の炎まで届かない。
風のない部屋で、私は静かに二人を照らしつづけた。
熱くなった頭上から、涙とも愛液ともとれない白く濁った液体が
細くまっすぐな体を伝って流れては固まり、また流れては固まって、
これが涙であるのならどんなに楽だろうか、
泣くことができたら、少しはこの気持ちが晴れるのだろうかなんて、
できもしないことに思いを巡らせてただ、私が消えてしまうのを待っていた。

私は熔けてゆく。
芯に火が灯されて、その熱で少しずつ短くなり、
全てがどろどろに熔けてなくなってしまうまでが私の一生だ。
五月蠅い蝉よりも、はかない陽炎よりも私のいのちは短くて
数時間、あなたを照らすだけの役割を持って産まれた。
短い人生なのだと人は思うのかもしれない。
今の私にとってこんなに長く、苦しい時間はないのだけれど。

私の身体はとても小さくなっていた。
足下には熔けて流れた液が、白く固まって広がり、
私のシルエットを不細工なものに変えている。
スラリと長かった私の身体は、あともう少しで全てこのどろどろに変わってしまうだろう。
泣き叫んでも、覚悟を決めても、懇願しても、無慈悲な炎は少しずつ冷たく、私の身体を溶かし続ける。

私はあなたの寝顔を照らしながら
少し幸せなのかもしれないと思った。
あなたの寝顔がとても愛おしかったから。
私は精一杯の力を込めて、あなたにおやすみを言いたい。

どろどろに溶けきってしまった身体の真ん中で、
小さい炎は手を振るように左右に揺れてすぐに消え、
静かな煙が立ち上る。







大丈夫。元気にしております。
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by gennons | 2006-10-11 02:45 | 妄想

ドナルディ、高橋

下のシモキタバッシング記事、もっと怒られると思っていましたが
意外や意外、みなさん「短歌がステキー」とか「あしくささんステキー」とか
「私のルーズソックスもらって下さいー」とか「むしろソックスだけじゃなくてs(規制)」

……というか、下のコメント欄にルーズソックス履いている年齢の方はいませんでしたね。
さらに言うと今日びルーズソックス履いてる人なんていませんね。
はいはい、すみませんでしたね。

さて、話は童貞の世界観とホストの価値観くらい変わりますが、
最近僕のエロ汁の出が少なくなってきています。
僕のエロ汁はてのひらと指先からにじみ出るのですが、昨日あたりから
握ったマウスもさらっとしているほどに汁気がない。
これはどうしたことだ。まあいつも通りに書けばそのうちマウスやキーボードもべとべとになってくるだろう。
なんて考えながら書いた結果が↓です。エロくない。ごめんなさい。



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パーティションを立てるにはビームという支えを並べてそこにポールを立てる。
そうしてそのポールとポールの間(1Mくらいの間隔)に加工した白いベニヤ板を上から溝に沿ってはめ込んで下までストンと落とす。
繰り返し繰り返し並べられたビームの上にストン、ストンと板を落としていき、徐々に大きな長い壁がこの広い空間を仕切り始めるのだ。

「ペンチとって」

僕よりも二年先輩の高橋君が脚立の上から言った。
僕は彼の顔が汗で滲んでいないかどうか心配だったのだが、それを確認する勇気がなかった。
幕張の会場はまだ7月だというのに熱気で溢れている。
僕は額の汗をTシャツの袖で拭うと、高橋君に柔らかいタオルとペンチを手渡した。
高橋君は脚立の上で上部のビームをボルトで固定しながら、いつも彼女ののろけ話をする。
僕はそれを聞きながら次々に運ばれてくる大きな板をはめ込んでいく。
単調な作業をしながら聞く彼ののろけ話はバラードのBGMを聞くようで、別段不快なわけでもなかった。
ただ、僕が気になっているのは高橋君の彼女の話ではなく、彼自身についてだった。

僕の所属する会社はイベント設営の派遣業でみんな同じトレーナーかTシャツを着ているのだが、高橋君だけが違うユニフォームだった。
黄色いオーバーオールに、赤と白の土派手なタイツ。
髪と鼻と唇は真っ赤で、顔は白粉を塗っているのだろう。真っ白だ。
一見するとサーカスのピエロのようだが彼は自分のスタイルのことを「ドナルディ」と呼ぶ。
僕はその意味がよく分からず、何度も聞き直したことがあるが、高橋君はハンバーガーがどうのとか、
マックがどうのとかいう話しをするだけでどうも要領を得なかった。
ただ彼は、素顔を見られてはいけないのだということがわかった。

「子どもらの夢があるんだよ」

顔を明かせない彼の理由はこうだった。
高橋君の顔に何故子供たちが夢を見るのかなんて僕には分からなかったが、
この顔が高橋君だということにも慣れてしまっている、というかこの顔しか知らないので
素顔を見たいとは思わない。
むしろ見てはいけないものだという意識の方がずっと強かった。

蒸し暑い館内、脚立の上からはポタポタと高橋君の白く濁った汗が垂れ落ちる。
その度に彼は柔らかい布で汗を拭き、ポケットからおしろいを出して顔に塗る。
汗の流れ落ちた肌の隙間から、高橋君の肌色を時折垣間見るが、僕は見なかったことにしている。
昼休み、僕は高橋君とハンバーガーを頬張りながら、彼の外した黄色い手袋が油で黒くならないように
そっとおしぼりで拭いた。

「ありがとう」を言う高橋君の笑顔が眩しい。
子供たちはおしろいの奥に輝く彼の目に、夢を持つのではないか。

「どうせ俺は会社のピエロなんだから」

彼はそう言ってハンバーガーの包みをクシャクシャと丸めながら溜息をついたが
おしろいで隠された彼の表情はずっと笑ったままだった。
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by gennons | 2005-07-26 20:14 | 妄想

開封

休日の過ごし方を考えていたら、夕方になってしまった。
こんな事で一日潰れるのなら、もう少し睡眠をとっておくべきだったのではないか。
しかし今更後悔しても何も始まらないし何も産まれない。
後悔という無意味な時間とともに夜を待つことなど、もっとも馬鹿らしいことだと思う。
仕方なく俺は食料や日用品の買い出しに外へ出た。
初夏の夕暮れと生暖かい風が奇妙な体感温度を作り、俺は空を見上げながらスーパーまでの道のりをふらふらと歩く。


中略


鯖の缶詰に手を伸ばしたところで俺の手が停まる。
缶詰の配列が気になったのか、どういう原因で手が停まったのかはまだわからない。
順を追って缶詰の並びを注意深く端のほうから確認してゆく。

鯖、焼き鳥、蛤、コンビーフ、彼女、コーン、ホワイトアスパ……

彼女?

彼女の缶詰を見つめながら、世の中も便利になったものだと独り頷いてやはりそれも籠の中に放り込み、
そのあとビールとトマトと袋ラーメンと洗剤を購入し、レシートをポケットに突っ込んでスーパーを出る。
ぼんやり歩きながら、袋から彼女という缶詰を出してまたぼんやりとそれを眺めつつ夕暮れの町を歩いた。
アパートの廊下で鍵を出すのに手こずっていると横山さんがどこかへ出掛けるのか、ドアから下半身を覗かせて部屋の電気を消している。
横山さんは油っこい顔で俺に気が付いた素振りを見せ、こんにちはと言った。
そして俺の右手に彼女の缶詰を確認すると頬を緩ませながら
「ほう。柴田さんもとうとう彼女ができましたか。うらやましいですなぁ」
なんて言うもんだから俺は顔が熱くなって「いや友だちに頼まれまして」と嘘。
「まあどっちにしろ、彼女は大切に。では」と俺に少し会釈して駐輪所へ向う。

鍋に水を入れ、コンロを捻る。
ラーメンでも喰おうかと思ったのだが、少し考えてコンロの火を止めた。
先に彼女を開封し、作ってもらえば良いのだと気が付いたのでからだ。


注意(赤字で大きく書かれている)
・缶詰を空ける際には缶切りで刃の入る位置をコンコンと二回、軽く叩いてから刃を入れて下さい。
・彼女は、食用ではありません。
・彼女によって、プライベートな感情の違いがありますが、品質には特に問題ありません。
・彼女の嫌がる行為、傷つける行為等は法律で禁止されています。
・彼女によってプライベートに触れられるのを嫌がることがあります。
・彼女の違法投棄はやめましょう。


空ける前に缶詰を叩くのは、誤って中の彼女を傷つけないためだろう。
焼き鳥の缶詰とほぼ変わらない大きさの缶詰に、これからの俺の彼女が入っているところを想像すると、
どうにも興奮がおさまらなかった。
タイプじゃないのが出てきたらどうするのだろう。
しかしそのときはそのときだ。何らかの方法があるのだろう。

台所から缶切りを持ってきて、缶詰の端っこをコンコン、と小さく叩く。
缶詰に耳を近づけてみたが、イマイチ反応がわからない。
不安だったのでもう一度コンコンと缶の端を叩いてから静かに刃を入れる。
きりきりと缶切りを進めて半分くらいまで缶が切れたあたりで彼女の脚が見えてきた。
ゆっくりと缶切りを進めると、彼女の脚は缶切りの刃を少し避けるように身体をよじらせて
半分ほど開いた缶の隙間からひょっこりと顔を覗かせた。

「切れ目で怪我をしたくないから、全部開けてね」

意外にも彼女の声は低かった。
タバコか酒で潰れたようなしゃがれ声。
嫌いではない。ただそのせいで早速彼女の過去が気になりつつある。
彼女が、美しかったことも関係しているのかもしれない。
ゆっくりと、慎重に彼女を傷つけないように缶切りを進める。
缶の蓋が全て開いたとき、俺は目を疑った。

中には手のひらにすっぽりと収まってしまうくらい小さな裸の彼女。
そしてもう一人、同じくらいの大きさの、男。

俺はもう一度缶詰の注意書きを読んでみたが、
男が一緒に入っているなんて一言も書いていない。
仕方なく俺は彼女をややきつい目で睨んで、これ、誰?と聞いた。
彼女は小さく溜息をついて(身体も小さいので溜息も小さい)やれやれといった調子で顔を上げて言った。

「過去よ」





つ……続くのか……!?
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by gennons | 2005-07-12 04:11 | 妄想

ワイフ

あ、どうも。
パスワードを思い出した足草です。
クレマムさんの福福にお邪魔して赤いマグカップを購入したのですが
ケミチョウとお揃いだということを聞いて
思わずカップをマヨネーズ入れにしてしまうところでした。
意味不明ですか。そうですか。
と、このように、自分が変態だという確信のある方のみ下へお進み下さい。




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「お前に話さないといかんことがある」

父さんは煙草を灰皿でトントンたたくと、まっすぐな眼で僕を見た。
これから父さんが何を言おうとしているのか
それが僕にとってどれだけ重要なことなのかを僕は知っている。
今までの幸せな生活が一転することだって。
僕は言われてもいないのに正座した。
父さんの隣に腰掛ける母さんは、いつものようにうなだれて目線を絨毯に落としたまま動かないでいた。
僕は今までの母さんを、全て否定されるようなことなど聞きたくはなかった。

「お前ももう解っているだろうけど」

僕は助けを求めるかのように母さんを見た。
でも母さんは、栗色の眼で斜め右下を見つめているだけで
僕と眼が合うことなんて一度もないままだった。


母さんはいつも斜め右下を見ている。
感情は、ない。たぶん。
心はあるのかもしれない。
動くこともなければ話すことも、僕を叱ったり料理を作ったり、
そんなことはまるで“しない”母さんだ。
母さんは日がな一日居間のソファに座り、
父さんが帰ってくるまでそこでジッとしているだけだった。
母さんは父さんが帰ってくると、父さんにお姫さまだっこをされて寝室に向かう。
僕は母さんに「おやすみ」を言って自室で聞き耳を立てる。
部屋を真っ暗にして目を閉じると、寝室からは父さんの荒い息遣いと、
膝がシーツに擦れる音だけが事務的なリズムを刻みながら壁際に響く。
昼間、母さんに見る栗色の瞳を思い出しながら、
僕は布団にくるまって、毎晩身体を熱くさせているのだ。

母さんはとても綺麗だった。
他のどの友達の母さんよりも、うんとうんと綺麗だ。
髪と眼は栗色で、色も白い。
そしていつまでも老いることはなく、永遠に美しいままなのである。

中学に入ってすぐの頃だったろうか、
学校から帰宅した僕は、いつものようにソファで佇む母さんに向かって声をかけた。

「僕のこと、好き?」

母さんは黙っていて、微動だにしない。
そんなこと分かっているのだけど、僕は続けた。

「好きな娘が、母さんにそっくりなんだ」

好きな娘なんていない。
何のための言い訳なのかは自分でもよく解らなかった。
僕が好きなのは母さんだけなのに、
そんなことをいう自分が許せなくもなった。
そして僕は母さんの隣に腰掛けて、
斜め右下からゆっくりと顔を近付け、唇を重ねた。
母さんの唇は口紅と、僅かなビーチボールの匂いがした。
僕の身体は小刻みに震えはじめて、どうにも止まらない。
震えが誰かに気付かれやしないかといらぬ心配を打ち消すために
右手で母さんの胸を掴む。
窓の夕日が空と母さんの肌を朱色に照らし、
まるで母さんに血が流れているのではないかと思うほどに綺麗なオレンジ色をしていて
音がしないのを分かっていながら
それでも胸に耳をあててみた。
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by gennons | 2005-06-08 17:02 | 妄想

エッチボール!

気まぐれに一つ書いてみました。
コレを残し、また休むと思います。
ゆっくり、あせらず。



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「これ、いいから握ってみろよ」

化学実験室の片隅で香川が僕に渡したものは、黄色い小さなスポンジのボールだった。
手のひらにスッポリとおさまったボールを僕はフニフニと握ってみたのだけど
何のことはない、ただのボールである。
香川が何を思って授業中にこんなものを僕に握らせたのかは分からないけれど、
ボールを握る僕の顔を覗き込む香川の顔はとても嬉しそうだった。
コイツの考えていることは、いつも訳がわからない。

「で、何?」

僕は香川を小馬鹿にしたような口調で言った。
香川はビックリしたように目を丸くさせて、なんで?と言う。
そのなんで?が僕には理解できなくて、もう一度香川に、だから何?と言った。

「コレ握ると、エッチな気分にならない?」

溜息が出た。
と同時に、こんなスポンジのボールで発情できる香川を少し偉大にも思った。
「ならねぇよ」そう言うと香川は
「おかしいなぁ」なんて言いながら僕からボールを取り戻し、フニフニと揉み始めた。
香川の表情がうっとりとしてきて僕に、ほらっほらっ、と言いながら股間を指さした。
香川の股間が風船を膨らますように少しずつ大きくなって、
制服のズボンに奥行きを出した。

「どういう思考回路してるんだよ」

小馬鹿にしたように僕が言うと香川は

「なんか、握り心地がエッチなんだよなぁ」

なんて言いながらフニフニとボールを握る。
僕は馬鹿馬鹿しくなって、どうかしてるよお前、と呟いて硫酸ナトリウムに重曹を入れた。
ビーカーの中の液体がブクブクと泡立ち始めて、
僕はそっちの方がエロティックなのではないかと思い香川を見たのだけど
香川は飽きもせずフニフニとボールを握るばかりで授業を全く聞いていなかった。
しつこくボールをフニフニする香川が気にならない訳ではない。
僕はもう一度香川に向き直り「どこがそんなにエッチなんだよ」と聞いた。
香川はうっとりとした表情で「え?何か言った?」ととぼける始末。
僕は「何でもねぇよ」と言うと机に向き直り、ビーカーを眺めた。
ぶくぶくと泡立つビーカーの中の液体を見ながら、
僕は机の下で香川のやっているように右手をフニフニ動かしてみた。
少しエッチな気分になったような気がしたのだけど、
それはここが化学実験室だからなのだと気付く。
コイツの考えていることは、いつも訳がわからない。
僕は香川の乱れきった表情を一瞥して硫酸にまた少し、重曹を加えた。
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by gennons | 2005-04-21 22:25 | 妄想

ナカメグロっていうのがどうやらオシャレらしい。

「ねぇ、ナカメグロって知ってる?」

「何?それ。魚?」

「いやさぁ、俺もよく分からないんだけどさ」

「それがどうかした?」

「すっごいオシャレらしいよ」

「ナカメグロ?」

「うん。ナカメグロ」

「それはちょっと食べてみたいな」

「食べるの?」

「食べ物じゃないの?」

「いや、そうかもしれないけど、俺はたぶん違うと思う」

「そうかなぁ」

「だいたいさ、オシャレな食べ物って何だよ」

「ほら、グラタンとか、スパゲティのことパスタとか言っちゃったり」

「グラタンってオシャレなの?」

「オシャレじゃない?」

「グラタンかぁ……じゃあニョッキとかもオシャレ?」

「ニョッキ?んー、惜しいな。ぎりぎりアウト」

「じゃあオシャレな食べ物の基準って何だよ」

「まぁ、横文字だよな」

「とりあえずね」

「で、なあんかイタリア臭いやつかな」

「イタリア臭いのはオシャレなの?」

「うん。とりあえずね」

「じゃあニョッキもオシャレじゃない?」

「ニョッキってイタリアなの?」

「よくわかんないけど、アレもパスタでしょ?」

「そうか……あ、で、ナカメグロって何?」

「わかんない」

「どのアタリがオシャレなのかな」

「とにかくすっごいオシャレだと聞いたけどね」

「オシャレなものって、いつも曖昧だもんね」

「あ、思い出した。服とか関係してるかも」

「それ全然思い出してないよね」

「服関係でオシャレらしいよ」

「じゃあ服屋さんに聞けばいいのかな」

「そうかもね。ナカメグロ下さいって?」

「ナカメグロって服の名前なのかもね」

「服に名前って付いてるもんなの?」

「ほら、そこはオシャレだからさ」

「それ、オシャレの使い方間違ってない?」

「そう?オシャレな使い方したと思うけど」

「オシャレってさ、どういう基準なのかな」

「オシャレなものをオシャレだと言えることじゃない?」

「それってオシャレなの?」

「違うの?」

「オシャレってさ、こだわりとかそういう問題じゃないの?」

「精神面の話?」

「そう。曖昧な話」

「じゃあオタクもオシャレだよな」

「うん。たぶん究極のオシャレだと思うよ」

「ナカメグロって案外人の名前かもよ」

「オシャレな人の?」

「そう。オシャレな人の」

「危なかったね。服屋で人を注文するところだったよ」

「人を買うところだったね」

「それって、なんだかいやらしいね」

「ナカメグロもいやらしいのかな」

「どういうこと?」

「ほら、最近はオシャレヌードとか流行ってるでしょ?」

「流行ってるの?」

「うん。ヌードがオシャレなの」

「それってナルシストと紙一重だよね」

「そうじゃなくて、写真がオシャレらしいよ」

「カメラマン?」

「カメラマンなのかな?」

「カメラマンがオシャレなのは、その人の本質だよね」

「そうだね。決して職業がオシャレって訳じゃないよね」

「じゃあ何がオシャレなの?オシャレヌードは」

「写真……?かな?」

「写真か。写真にオシャレですねっって言っても、褒め言葉にならないね」

「それを持ってる人に言うんじゃないの?」

「持ってるだけでオシャレなの?」

「じゃあ撮った人?」

「それカメラマンじゃん」

「じゃあ違うか」

「いやらしいこと自体がオシャレなのかもよ」

「いやらしいことをオシャレにした人がオシャレなんだと思うけどなぁ」

「ナカメグロはいやらしいことをオシャレにした人なのかな」

「いやらしいことをオシャレにする行程がナカメグロなのかもよ」

「人じゃなくて?」

「そう。行程」

「得てしてそういうもんかもしれないね」

「曖昧だし」

「あ、そうそう。ナカメグロと同じくらい、ダイカンヤマっていうのもオシャレらしいよ」

「ダイカンヤマ?」

「そう。ダイカンヤマ」

「関取みたいでオシャレな感じしないけどなぁ」

「それも服関係?」

「同じ土俵だから、服関係だと思うよ」

「関取の服かな」

「関取の服ってそれ浴衣じゃないの?」

「まわしかもよ」

「オシャレなまわし?」

「どう足掻いてもオシャレにはならないね」

「想像してみたけどね」

「そう考えるとナカメグロも関取の名前に見えてきた」

「じゃあ相撲関係なのは揺るぎないね」

「そうだね。ヌードも入ってるし」

「これからは太っている方がオシャレなのかもしれないよ」

「みんなして太るのかな」

「でも結構太るのも難しいよ」

「何食べたら太るのかな」

「ちゃんこ?」

「それってオシャレじゃないよね」

「じゃあニョッキを食べて太ったらオシャレになるんじゃない?」

「オシャレ太りか」

「でもカロリー高く無さそうだね」

「しなやかに太るとオシャレっぽいよね」

「でもしなやかと太るは結びつかないね」

「健康に、身体を大きくさせるのがたぶんオシャレのポイントだよ」

「じゃあ何?パスタ?」

「パスタかな。アンチョビとかってオシャレじゃない?」

「何が?」

「響きが」

「でもあれって、魚だよね」

「なんだ。やっぱ魚じゃん」







ひとつ校了
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by gennons | 2005-03-24 20:40 | 妄想