<   2004年 10月 ( 10 )   > この月の画像一覧

ランプの関西人

M-1が盛り上がりそうな気配ですね……
参加したいけどだめだ。
書き溜めの記事を投稿するだけなのに隣でアシ君が睨んできます
今回はライブ観戦すら危ういところなので
終わらすもん終わらして後で一気に読む所存でございます
以前書いた記事がタイミング良く漫才風なのは偶然です。



------------------------------------------------------------



やっとの思いで手に入れたランプを擦ると、やる気のない関西人が出てきた

「何?」

出てきたと言うほど出てきていない
関西人はランプのフタを少し開けて、顔を半分だけ出している

「いや、あの……願い事とかそういうの叶えてくれるんじゃないんですか?」

「え?なんで?なんで俺がお前の願いなんか聞かなあかんの?」

「いや、でもこのランプ、僕も命がけで見つけた訳だし」

「あ、そう。努力したから報いが欲しいってか」

「まあそんなところです」

「ほんまに努力した?イチローとどっちが努力した?」

「いや、イチローよりはしてないかもしれないですけど、結構努力しましたよ」

「君、誰かに似てると思ってたらアレ。あのー、トミーズの顔でかい方に似てるよね」

「そんなこと言われたことないですけど」

「そう?ほんまに?絶対言われてるって。その顔は」

「全然嬉しくないんですけど」

「うそん?ケンよりマシやと思うけどなぁ」

「トミーズ自体そんなに好きじゃないですから」

「で?俺に顔を小さくしてくれと?」

「違いますよ。僕そんなに顔でかいと思ってないですから」

「いや、小さくした方がええよ。それ相当重傷やもん」

「トミーズよりは小さいでしょう。いくらなんでも」

「プリクラ撮る時いっつもうしろを陣取るやろ?」

「そんなことしませんよ。プリクラも撮らないし」

「じゃあ鼻高くしたいのん?」

「整形はしたくないですから」

「あ、そうなんや。でもどうせエロい願いやろ?」

「違いますよ」

「いや〜、お前の考えてることくらい分かるねんでこっちは」

「違いますってば」

「で?どんな娘がいいの?うちは今、若い子多いよ」

「何か客引きみたいなこと言いますね」

「じゃあどうしたいねん」

「あなた、本当に願いを叶えられるんですか?」

「なにほざくねん。俺はランプの精やで。でけへんことなんかあるか!」

「じゃあ、僕を大統領にしてください」

「それは無理や」

「ほら!できないじゃないですか!」

「それはお前の問題や。お前が大統領になったところで、何が出きる?
頭の悪い大統領が出た言うてすぐに引きずり降ろされるわ。頭の悪いお前には無理や」

「何か言い得て腹が立つなぁ」

「当たり前や。身の丈を考えろ」

「じゃあ、日本中のお金を下さい」

「金か。お前ってそんな奴やったんや。何でもかんでも金金金。二言目には金やな」

「いいじゃないですか別に。それに一番自然な願いでしょう?」

「まあええけどな。そのかわり俺がやる金はすぐに意味がなくなるで」

「どうしてですか?」

「日本中の金をお前にあげたら日本円は新しく作るしかなくなるやろ。
お前以外に金持ってる奴はいなくなるんやから」

「あ、そうか」

「だからお前には大統領も無理やねん」

「じゃ、じゃあ、モームスのなっちとヤリタイっていうのは?」

「ほら出た。結局エロやんけ」

「いいじゃないですか。これも事の成り行きということで」

「まあ、できないことはないわ。ほんまにそれでええんか?」

「ちょっと納得いかない気もするけど、まあいいです」

「わかった」

そう言うと、関西人は懐から風俗店のチラシと、八千円を出して投げると、

「ここにナッチちゅう娘がおるから。あ、午前中だけやで」

と言い残してランプの中へと消えていった

チラシの中のナッチは
大山のぶ代に似ているなと思ったが
とりあえず行ってみることにした
[PR]
by GENNONS | 2004-10-28 20:37 | 妄想

踊る万年筆

悲しいかな。仕事がたて込んできました。
でも今日記事を四つ書いたので、何日かに分けてアップします。(セコ)
「足草さん、今日仕事ほとんどしてないじゃあないですか」
と。 記事書きに 会社来ました ダメ社員
返信コメ等々遅くなるかもしれませんがお許しを

あ、これエロじゃないです。
キャラじゃないことをやってみましたてへ。



-------------------------------------------------

大切にしていた万年筆が、ひとりでに動き出した
ペン先は尖り、インクの濡れ具合も程良い
ペン尻はくるくると僕を挑発するように動いた
こんなことを言うと、周りの人はおかしな目で僕を見るのだけれど
僕はその万年筆が女性的な何かを持っているような気がしていた
スラスラと進む万年筆。くるくると僕を誘うペン尻
万年筆は机のメモ帳の上を、踊るように走っていた

あなたを、好きかもしれない

一行の告白文を書いて、万年筆はパタリと身を倒した
困ったな。万年筆に告白されるのは初めての経験である
今更告白されたって、僕はどうしていいのか分からない
僕だってこの万年筆は好きだ
好きで、気に入ったから
神保町の古い文房具店で買ってきたのだ
中古の品ではあったが、僕はこの万年筆を半年「愛用」している
僕がこの万年筆をずっと好きだったという思いは
今頃になって伝わったのだろうか
僕は万年筆を今まで一方的に愛していただけ
それで十分だった
見返りなんて求めていない
そんなもの、あるなんて思えるはずがないからだ
でも今現実に、万年筆は僕の気持ちに答えようとしている
いや、答えを出したのだ

ああ、嬉しいよ

と、僕はメモ帳の端に小さく書いた
これで通じるのかどうかは、不安だった
通じているのかいないのか
万年筆はまた立ち上がり
メモ帳の上を踊った

あなたは優しく私を使う。何だか、あの人を思い出すわ

万年筆はそう書くと、最後の一文字で動きを止めて過去の人を懐かしんでいた
インクがメモ帳に滲む
黒いインクがメモ帳に作る丸は、少しずつ大きくなっていた
僕はそれが嫌で、万年筆を取ると

どんな人だったの?

と、興味のない質問を書いた
万年筆は、過去の人との思い出を書き始めた
過去の人は海辺に住む、売れない恋愛小説作家だったらしい
行き届いた手入れの話、
インクを入れるその人の手つき
綺麗な指先
寂しげな横顔
愛のある文章
美しい字
万年筆は、たくさんの思い出を、小さなメモ帳に
小さな字で、軽快なダンスを舞うように書き記した
メモ帳が一杯になると、万年筆はまだ書き足りないのか
僕にページをめくるよう促した
嬉しそうに踊る万年筆はとても可愛い
僕は万年筆の書く文章よりも踊るその姿に見とれていた
僕が見とれているのは、踊るその姿だけだった

万年筆が嬉しそうに書き記す文章は、僕の心を少しずつ傷つける
だんだんページをめくるのも、嫌になってきた
嫉妬していたからだ
過去の話なんて、知りたくなかったからだ
そんな幼い自分が悔しくて、
僕は薄い笑顔でページをめくり続けた
暫くして、万年筆はその動きを止めた

やっぱり、あなたに握っていて欲しい

思い出話が終わったら、万年筆はその身を僕に委ねた
僕は何て書いていいのか分からず
メモ帳に一本の横線を引いた
そこから僕の脳に映る景色をメモ帳に少しずつ描く
無意識に任せ、僕は絵を描いていた
描きあがった絵は、海の絵だった
夜の海辺の絵
空を塗りつぶすのに、インクをほとんど使い切ってしまった
僕は、何をしているんだろう
メモ帳から海の絵を剥がし
暫く眺めてから捨てようと思った
ゴミ箱に手を伸ばしたときに万年筆は動いた
新しいメモ帳の上を、ゆっくりと動く万年筆

ありがと

までを書いて、インクがなくなった
かすれた文字だった
僕はインクの補充をせずに
万年筆を引出しに仕舞い
僕はあなたが好きだと言った
[PR]
by gennons | 2004-10-26 23:03 | 妄想

揺れる炎

近頃記事のキレが悪いと専ら噂の足草です
書けば書くほどに芸のなさが丸裸になっていくことに恐れをいだきつつ
今回もいつもと変わらぬ更新でございます






夜中、目を覚ますと、そこは火の海だった
夢を見ているような気分だったが、三十秒ほどで、それが現実なのだと気が付いた
火事である。僕の部屋のカーテンや引き戸は赤い炎を吹き出していた
窓から外を覗くと、このアパート全体が燃えているようだった
ああ、鈍感だなと思った。
ここまで火が広がっているのに僕は今まで目を覚まさなかった
徐々に煙が充満していく部屋の中、僕は溜息をついた
面倒だったが、とりあえず逃げようと思った
6階建てのアパートの4階。
何とか隣家からパイプを使って降りれば、助かりそうだ
僕はベランダの柵を伝って、隣のベランダにお邪魔する事にした
隣の部屋は、誰が住んでいるのか分からなかった。
ココに来て3年になるが、一度も住民を見たことはなかったからだ
もう逃げたのかなと思い、僕は部屋の中を覗き込んだ
部屋の中はもう煙で見えにくくなっていたが
その中から何かの気配を感じた

炎と煙の中ゆらゆらと動く一つの影

僕は目を疑った
もうこの部屋は人が生きていられる状態ではなかったからだ
僕は窓を叩き、大声を出した

「誰かいるんですか!開けてください!逃げないと、危ないですよ!」

窓を叩いて気がついたが、この部屋の煙はさほど、充満していなかった
外と中の気温差が、窓にくもりを作っていたのである
窓を叩く僕の手に水滴が付き、部屋の中が見えるようになった
そして僕は、窓越しに影の正体を見たのである

それは、女だった

女はただ立ちつくし、火を見つめている
そして何を思ったかシャツを脱ぎ、それを火に「くべた」のである
女は下着だけになった
僕は訳がわからなくなりその様子をただ見ているしかなかった
女は振り返り、僕を見て少し笑ったかと思うと
今度はブラジャーの「フックだけを」外した
肩紐がスルッと落ちる
しかし女の右手が抑えているせいで、胸は露わにならない
熱い
火のせいでもあり、女のせいでもあった
女は振り返り、僕と目が合ったかと思うと
ゆっくりとブラジャーを外していった
女は大きな火を背中に、上半身裸になった
そしてこちらを向いたまま後の火に、ブラジャーをくべた
火の手がもうそこまで迫っていた。
僕も女も、逃げなければ危ない状況だ
女はそんな危機感などまるでないように、
僕の目を見ては淫靡な笑みを浮かべた
そして親指をくわえ、フェラチオをするように指をねぶった
僕は声が出なかった
ただ、女の奇妙でいやらしい行動に見とれていた
女は指を舐めながら、僕のいる窓に歩み寄ってきた
僕は、ずっと前からこれを期待していたのだと思う
女はそれを知っていて、僕を騙したのだ
そして窓硝子一枚を挟んで、二人の距離は限りなく近づいた
目の前で、女の舌使いが見える
生き物のように動くその舌は
指の先を軽く回ると
側面を這い回った
付け根を舌先が触れて、指は唇に包まれてしまった
汗と、唾液
二つの液体は、この熱さのなかでも蒸発することなく
鈍い光を放っていた
僕は自分が抑えきれなくなって窓を開けようと手をかけた

「大丈夫か!?君!」

僕は突然現れた二人の男に羽交い締めにされた
女との距離は、硝子一枚だったのに、男達は僕をそこから遠ざける

「や……やめてくれ……」

必死で叫んだつもりだったが、僕の喉は煙にやられて声も出なくなっていた
僕は男達に抱えられ、ベランダの柵を越えた
僕は窓から目を離さなかった
窓の中は真っ赤で、そこで揺らめく炎の影が
いつまでもいやらしく踊っているように見えた
[PR]
by gennons | 2004-10-25 17:02 | 妄想

うしろの理由

酒の席、僕の正面に座った女は、ずっと僕の「うしろ」を見ていた。
僕が何を話しても上の空といったかんじである
髪の長い、貞子に似た感じの気持ち悪い女である

「おい、どういう女やねん。この娘は」

僕は隣の川崎にこそっと耳打ちした
紹介してくれるのは嬉しいが、これじゃあ何の発展もないじゃないか
川崎は、まあまあとか僕の文句を受け流し、
自分の正面にいる女ときゃあきゃあ話を盛り上げている
その女も気持ち悪い。笑い方がパー子みたいで鼻につく
どうせなら、四人で盛り上がればいいのに……
そう思いながら、僕はまたビールを少し舐めた

「悲しい顔をした……女……」

かすれた暗い声で、女が突然呟いた
僕はよく聞こえなくて、えっ?何?と聞き返した
女は僕の肩の辺りを見つめて、同じことを繰り返す

「悲しい顔をした女」

僕は「うしろ」を振り返った。ただの壁である。
居酒屋の仕切り
薄い板のようなもので隣の席と区切られている、その仕切り
もちろん、そこに人などいない
僕の真後ろの壁に向かって、女は呟いたのである
ちょっと頭がおかしいんじゃないかと思った
僕は女の言っている意味が分からず、困惑の表情で枝豆に手を伸ばした

「そうそう!この娘、見えるんだよねー」

さっきまで高音で大笑いしていたパー子が突然話しかけてきた
あまりにも身を乗り出しすぎたので、テーブルの皿がひっくり返りそうになった

「ちょっちょっとまあ落ち着いて……」

僕はパー子をなだめたが、パー子はそれを聞く素振りさえ見せず
女の見えるモノについて話し出した。
おとなしいのとうるさいの、タイプは違うかったが、
二人とも、人の話を聞かない女だなと思った
パー子は貞子のマネージャーみたく、女のことについて話し始めた。
正直、うざかった。

「この間山にキャンプ行った時もさー何か変な感じがするって言ってさー」

パー子は運ばれてきた料理に大量の唾をまき散らしながら
女との恐怖体験を次々に話している
僕は自分の皿のものだけを守りながら、少しずつビールを飲んでいた

「まじありえなくなーい?ちょっと、ねぇ、聞いてんの?あんた」

ああ、聞いてるよ。と僕が面倒臭そうに言うと、パー子はまた、大声で話し始めた

「でさーありえないくらい恐いんだけど、今もこの部屋にいるんだよね?何人かの霊がさ」

パー子はそう言いながら貞子に同意を求めた
貞子はありがちな素振りで、ぐるっと部屋を見渡した
時々、その目線がどこかで止まる
何かを見つけたのだろう
貞子の顔は、恍惚の表情を浮かべていた
貞子は明らかに、霊を探す自分が注目されていることを快感としていた
嬉しそうな表情を時折入れながら、貞子はぶつぶつと何かを数えていた

「9、10、11……10?……あれは、1として数える必要もないわ……」

ギリギリ聞こえるくらいの声で、貞子は何かの話をしていた
とりあえず、この部屋に10人の霊がいてるらしい
全員天井近くで僕ら4人を見ているらしかった
多くない?と川崎が聞くと、パー子がまた身を乗り出した

「そうそう、この世に浮遊してる霊って以外に多いみたいよ
こないだなんか、この娘、上杉謙信の霊も見たんだから。凄くない?」

それは凄いと思った。でもどうやってその霊が上杉謙信だとわかったのだろう……
少し突っ込みたかったが、やめといた。
話を聞かない二人のテンションは最高潮だった
貞子も負けじと何かを呟いている

「あ……左から3番目の霊……あれ、アントニオ猪木の霊だわ……」

僕はもう、リアクションすら面倒になってきた
とりあえず酔ってしまおうと思った
僕はビールを飲み干すと、焼酎をオーダーして、タバコに火を点けた
ふと見ると川崎がいない。トイレにでも行ったのだろう
そしてパー子もトイレに席を立っていった
残されたのは、貞子と僕。

「あんまり酔っぱらうと、悪い霊が憑きやすくなるわよ……」

遠い目をした貞子が言った。
その顔は、映画の貞子、そのものだった。
貞子は立ち上がると、僕の横に腰掛けた

「私が、悪い霊を……吸い取ってあげる……」

突然すぎて僕には何がなんだかわからない
ただ、貞子の顔が近かった。
貞子の鼻息は荒く、その勢いで鼻から鼻くそが飛び出した
その鼻くそは、僕のシャツにピトっとくっついて離れそうにない
鼻くそに気を取られていると、僕の唇が生あたたかい何かと接触した
気が遠くなった

川崎が、帰ってこない。
見ると、パー子と川崎の荷物はこの部屋にない。
口の中にぬるっとした塊が入ってきた

「ぅわんとぉぬいお……えぬおきぇは……ぅいくぃて……」

口をふさがれた状態で、僕は貞子に何かを伝えようとしていた。
何故今なのかは分からないが、僕は必死で伝えようとしている
10人の霊たちに見守られながら、
鼻くそのくっついた僕のシャツは、するりと肩を滑り落ちた
僕の背後霊が悲しい女だということが
妙に納得できるような気がした
[PR]
by gennons | 2004-10-23 22:44 | 妄想

右手の恋人

朝、顔を洗っていたら、右手の指が細いことに気が付いた
不思議な違和感を胸に、僕はタオルで顔を拭き、
もう一度じっくりと右手を見つめた
それは、綺麗な女性の右手になっていた
腕は細く、しなやかに僕の肩から伸びている
掌も柔らかで、指先までが白く、透き通るようだ
爪を見ると、それはとてもよく手入れされていて、つるつるに光っている
僕は数分の間、肩から伸びた誰かの手に見とれ立ちすくんでいた
僕はその手で自分の顔を撫でた
程良く冷たい指先。
こめかみから頬を伝い顎へ、首筋を通って鎖骨に指を引っかけた
すべすべの指と掌が、僕のざらざらした顔を撫でる
手が撫で、通り過ぎた肌は、毛穴を震わせ鳥肌を立たせた
ぞくぞくした
僕は鏡から自分の姿を除き、手だけを映してみた
柔らかい硝子のようなその腕のラインは
滑らかで、今にも折れてしまいそう
これではまるで、女性そのものだなと思った
締まり、膨らみ、締まる。
視覚のリズムが奏でるその手の音楽は、僕にヴァイオリンの音を連想させる
僕は服を脱いだ
全身を隈無く観察し、鏡でも見たが、
右の手以外は、以前の僕のものだった
ごつごつとした男の身体から伸びる一本の白い腕
その違和感とギャップに僕は興奮した
右手を使って、全身を隈無くさすり回した
左大腿の付け根から臍、腹筋、脇腹、乳首と
右手は僕の思うとおりに身体を滑り
優しい香りをそこに残してくれる
手を顔面にかざし、大きく息を吸い込んだ
僕のモノではない匂い
柔らかな、心を解かす匂い
どろどろになった脳味噌に意識を引きずりつつ
親指を舐めた
親指に唾液が絡まる音
僕の舌は親指から手首を這い腕のまん中までを味わった
舐める悦びと、舐められる悦び
二つの快楽が僕を熱くさせる
掌は、僕のチンコを優しく包むと、隙のない動きを見せた
これはもはや、僕の意志だけではなくなっていた
誰かの手で、誰かの意志がある
僕は鏡の前で立ったまま身を痙攣させて果てた

僕は寝室に戻り、いつ腕が生えたのか(または入れ替わったのか)を考えた
何も、思い当たるところはない
頭を悩ませつつ布団をめくると、そこには太い右手が横たわっていた
僕の右手である
何かの拍子に取れ、何かの拍子に生えた女の右手
僕は以前の右手を抱いた
色も、太さも、質感も違う僕の右手
ソレを抱きしめながら僕は泣いた
頬を伝う涙を、細い右手が拭ってくれる
僕は立ち上がり、窓を開けた
そして庭に出て、以前の右手に短い別れを告げると
桃の木の下に埋めて土をかぶせた
細い右手は土まみれになってしまった
汚れた右手を見つめながら
僕はこの手と生涯を送ることを決意した
[PR]
by gennons | 2004-10-19 20:31 | 妄想

しりとり9番手、いただきます。

TBしりとり2。9番手! ぶきっちょ→呼んだ? です!

初参加&リベンジです



トイレでうんこしてたら、のっぽさんが入ってきた

「呼んだ?」

ちょ、ちょっと、何してるんですか。

呼んでないですから!っちゅうかあなた喋ったらダメでしょう

そんなことより僕今、うんこ中ですよ。

出ていってくださいよ

いや、「シー」じゃないから。そんなに大きい声出してないし

僕が今やってるのはおしっこじゃないから。

って人の話聞けよ。何?折り紙?それ。

ちょっとちょっと、狭いところであんまり動かないでよ。

なになに?折り紙を……あー、器用に折るねぇ。って俺も感心してる場合じゃないな。

三角に折ってソレをそのまま折っていって……ああ、なるほどね。

おお!できた!って、それ鶴やん。誰でもできるて

そんな困った顔されても知らんがな。

何?今日は調子が悪いだけ?

調子が悪いのは俺やから。腹の調子が悪いの!俺は!

そんな面白くないみたいな顔すんなよ。

別に上手いこと言おうとしたわけじゃないんだから

何?調子が悪いのは……ゴン太くんがいないから?

ちょっとちょっと!やめてよ!何呼んでんの!?

入られへんって!狭いのにゴン太は無理やて!

個室に三人は無理やから。普通に考えたら分かるでしょう。

え?何?ゴン太は臭いのが嫌い?

しらんがな。お前は大丈夫なんかい。

大丈夫じゃない?

じゃあ出ていってくれよ。無理していてくれる必要全くないから。

ちょ、ちょっと泣くなよ。そんな泣かんでも……

ばぁーって嘘泣きかい!

いちいちむかつく奴やなー。

あ!ちょっと待って……お腹痛なってきた……

あー……

ぶりぶりぶりぶりぶりぶり

くっさーって臭いんやったら出て行けよ。

え?何?今のうんこを使ってカレーを?

アホか!それNHK的に無理やしお前料理作る人とちゃうやろ

結局俺が食べさせられんねやろ。分かってるちゅうねんお前の魂胆は。

できるかなぁ……

ってできるか!

え?自分で食べる?ってそれも嫌やわ!

気持ち悪いやつやな

冗談冗談って分かってるわ!

おい!ちょっと勝手に音姫鳴らすなよ!

鳴らすんやったらさっき鳴らしてくれたらええのに。

何?音姫は自分が作った?

嘘つけ!お前機械系でけへんやろ。

なんやねん。嬉しそうな顔して……

嫌な予感するわー

ジャーンって、おお!綺麗な花束!

何コレ?いつの間に作ったん!?

やればできるやん!しかもこんなに大量に。

これ本物みたいやなぁ

何でできてるねやろ

……ってこれティッシュ!!!

ティッシュ全部なくなってるやん!




スミマセン……
次の方、「呼んだ?」→「?」でスタートです
嘘。「だ」から始まる記事でお願いします


★☆★☆★☆★☆【トラバしりとり2テンプレ】☆★☆★☆★☆
【ルール】
前の人のお題でしりとりをしてトラックバックをしてください。
そして、しりとりをしたお題をテーマにした記事を書きます。
記事の内容は日記、コラム、短歌、散文等ジャンルは問いません。

「サッカー」のように「ー」で終わるものは「か」でも「あ」でも
 どちらでもOK。
「キング」のように濁点で終わるものは濁点で始まる言葉とします。
 分岐してしまった場合は先にTBした方が優先です。(分岐不可)
 企画終了条件は
  「最後に『ん』がつくお題が出る」
  「最後に書かれた記事から3日間トラックバックがない」
  「100TB達成した時」
 の何れかとします。
 参加条件は特にないのでじゃんじゃんトラバをしてしりとりを
 してください。(何度でも参加OK)
 ブログの輪を広げたいので初参加大歓迎です。

※誰でも参加出来るように
 このテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

企画元 毎日が送りバント (http://earll73.exblog.jp/)
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
[PR]
by gennons | 2004-10-14 16:22 | トラバ

いやらしい匂い

家に帰る途中、いやらしい匂いが鼻をかすめた
古い電灯の灯りだけが頼りの路地
人影のない暗い道で、僕は立ち止まり、周りを見渡した
誰もいない。夜も遅いので周りの家々も静かで、暗い。
少し気になったが、疲れていたので家路へとまた歩みを進めた
するとまた、いやらしい匂いがしてくる
先よりも若干強く匂う
甘酸っぱくて、生臭いような匂い
かといってそう断言できるほどはっきりした匂いではない。
もっと抽象的な、漠然と、いやらしい匂い
どこから流れてくるのだろう……
そして、何の匂いだろう……

僕は気になりながらも、路地を進んでいった
家の方向に進むに連れて強くなる、いやらしい匂い
その匂いを嗅ぎながら、僕はいやらしいことばかり考えていた
いや、寧ろこれは考えさせられていたのかもしれない
少しずつ、しかし確実に速くなっていく鼓動
この匂いの先にあるものが何なのか。
僕は夢遊病者の様に歩いていた
とてもとても、いやらしい想像をしながら。

路地は突き当たりに差し掛かった
僕の家はここを左折する
しかしいやらしい匂いは明らかに右から匂ってきている
僕は迷っていた。
右か、左か、僕の進むべき道を。

7分くらいだろうか、僕はその分かれ道に立ちつくしていた
僕は鞄を足元に置いた
会社の大事な書類が詰まった鞄だ。
そしてネクタイをはずし、鞄の上に置く
誕生日に、彼女からもらった大切なネクタイ。
僕は大きく深呼吸した。
深呼吸するのは、新しい空気を体に取り入れるためだ
しかし入ってくる空気は、いやらしい匂いの空気
僕は深呼吸が、何もリセットしてくれないことを知った
いやらしい匂いに、僕は支配されていた

少し歩いたところに、こんな道があるとは思っていなかった。
家の近くの知らない道
古い家屋が並ぶ、暗く寂しい住宅街
いやらしい匂いの根元はもう近くまで来ていた
僕は股間を腫らしたまま、足を引きずるようにして
いやらしい匂いの元に近づいていく。
そして僕は暗い家々の中に、小さな灯火のある
古い一軒家を見た
重厚な鉄製の大きな門は、既に開かれている
これは罠なのかもしれない
僕は誘われているのだと、本能で感じた
近代的な日本家屋といった風貌のその家は、
門から庭、玄関にかけての敷石が綺麗で、
とても大きな平屋だった。
窓にうっすらと見える灯火は、
いやらしい影を作っていた
女の影なのか、何の影なのかはよく分からない。
うにょうにょと遅く動くその影は僕にいやらしい何か想像させた

僕はゴクリと唾を飲むと、敷石の庭に足を踏み入れた
いやらしい匂いは、もう僕の体に充満している
全身が、いやらしい匂いに包まれていた
庭を越え、玄関まで来た僕は目を閉じてみた
視覚を奪うことにより、臭覚に気持ちを集中させた
ねっとりとしたその匂いは、臭くも感じられた
しかしその臭さは、いやらしい匂いとして
僕の股間を限界に近いところまで腫れさせてくれる
そして僕は、ここにあるものが、匂いだけではないことに気が付く。
微かに聞こえる、誰かの息づかいがある
一定のリズムを刻みながら大きくなり、小さくなり、
その息づかいもまた、いやらしいものだった
確かな人の気配だった
僕は興奮し、玄関のドアに耳を付けてみた

カタン

僕の体重に押されたドアが、少し音を立てる
マズイと思った刹那、息づかいが止んだ
僕は身を固まらせた
ドアに耳を付けたまま、動けない
その間も、いやらしい匂いは僕の鼻孔を刺激し
理性を曖昧にしていく
息づかいは再開しない
ドアを挟んで、僕と誰かが息を殺して動かなかった
誰かはもう、そこにいないかのような
静かな気配だった
僕は慎重にドアから耳を離すと、ドアノブにそっと手を乗せた
口の中が、唾で一杯になる
ゆっくりとノブを回す
鍵は、かかっていない
ドアに少しだけ隙間ができ、
いやらしい匂いがそこから僕を通し、外へ流れていく
なま暖かい空気と重く、濃すぎるくらいのいやらしい匂い
自分の顔が紅潮していくのがわかる
戻って来られない予感がした
僕は、それでも満足だと思った
いやらしい匂いは、僕の全てを包み心を満たしてくれる
僕はもう一度目を閉じて
いやらしい匂いを噛みしめながらゆっくりと、そのドアを開いた
[PR]
by gennons | 2004-10-12 22:07 | 妄想

エレベーター、上り。

毎日はキツイです。不定期更新でお願いします。
って誰に強制されたわけでもないんですが。







それは何の前ぶれもなく起こった
僕と女、今この空間でたまたま乗り合わせただけの関係
エレベーターでの共存

ぷす〜ん

なんてことはない。
ただの放屁である。
ただ、その音量は赤子の泣き声に匹敵するくらい大きい。
女と僕との間に生まれる微妙な空気
どちらかかが「コイた」。答えはいとも単純である。
僕ではない。女の屁だ。
女は顔を赤らめた
誤魔化しようのない立派な放屁であった。
僕はそのことについて女を責める気はない
臭いことを嫌がったりもしない
迷惑であるような素振りは見せない
しかし女は顔を赤らめ、バツが悪そうに身を縮めた
僕は考えた
この状況で、この女を辱めているものが何なのか。
それは屁自体なのか
彼女が屁をした、その行為のことなのか。
屁による匂いという二次災害なのか……

彼女を辱めているものは、そのどれでもない。
この僕自身である。
女が恥ずかしいのは僕に対して恥ずかしいのであり
屁に対してでも匂いに対してでもない
全く他人の僕がここにいたからこそ、彼女は顔を赤らめているのである

これは羞恥プレイであると僕は思った

Mっ気の強い僕が、今日、ここにいる間だけ
ささやかなサディストになっていられるのである。
僕はその優越感に浸り、誇らしげに鼻を鳴らした。
女を見ると、何事もなかったような素振りを見せている。
だが顔の紅潮は隠せない
僕は女の顔を一瞥した。
辱めてやったのだ
女は僕と目を合わせなかった
僕は調子に乗ってもう一度女を見た
女は、何度も見てくる僕に腹が立ったのか
鋭い眼光で僕を睨み付けた
僕はびびって目を逸らした。

やっぱり、睨まれる方が性に合ってるな。

僕の中のマゾ気質がしみじみとそう囁いていた
結局僕は、サディストになりきれるほど
マゾヒズムにも深く入り込んでいなかったのである
気の弱い「エム」
SMで言うMではない。
みんながそれぞれ口にしているM。
「あたしエム気質なの。えーお前絶対エスだと思ってたよマジで」
とかいうときに使う「エム」なのだ。
僕は考えを悔い改めた。
そしていつもの僕を取り戻し、
新しい妄想の世界へと旅立った

旅路に僕が見たものは、女だった
いやらしい目をした女
口元をクイッと上げる笑い方
ここぞというタイミングで、女は屁を出したのである。
そう、女の屁は、「わざと音を出した屁」なのである
それは露出狂に近い趣向で、自分を追い込み、恥ずかしさをさらけ出すことによって
己の士気を高め、その音を聞いたものの心を惑わせる罠。
僕はさしあたって、その罠に軽々と掛かったアリンコである。
アリンコは足掻く。
「音」を聞いていなかったように振る舞えば振る舞うほど、不自然になる動き
女が張り巡らした蜘蛛の巣
微動だにできない。膝が震える。
そして唐突に感じる、耳元の吐息

「ねえ、聞いたんでしょう?」

ドギっとして僕は振り向く
近すぎる距離
触れそうな唇
開いた胸元
甘い、香水と体臭
手に、汗が溜まる

「口止め料、払わなくちゃ……」

「だ……大丈夫です……そんな……」

エレベーターの壁に背を押しつけて、そのままずるずるとへたり込む僕。

チーーーーン

ドアが開く。
女は、何事もなかったように六階で降りていった。
不自然なのは、小さな箱の隅で
一人へたり込んでいる僕だけ。

エレベーターは、僕の妄想の箱。
僕の夢が乗る箱。
今日も僕は、夢を見るために、
一階から八階までを往復する。


エレベーター、上り。

その間三十数秒。

僕が射精するまでに十分事足りる時間。
[PR]
by gennons | 2004-10-06 17:09 | 妄想

ロボ

性感ヘルスに行ったら、アラレちゃんが出てきた。
ヘルス嬢だというのに
アラレちゃんは部屋の中でも見慣れたキャップを被ったままだ。
いつものオーバーオールにあの黒縁眼鏡、手袋までしている。
普通はもっと色気のある服か、バスタオルで出てくるだろう。
僕は店員教育を疑った。失礼なヤツだ。
だいたいこんな幼児体形の女を働かせていたら店側もやばいんじゃないのか?
僕はふつふつと沸き上がる怒りを押し殺していた。

「んちゃ」

唐突にアラレちゃんが右手を上げた。
んちゃじゃねえよ。と思ったが、
まあ彼女なりの挨拶なのだと思って自分を納得させた。
もしかしたら凄いテクニシャンなのかもしれない。
僕はアラレちゃんと手をつないで個室へと向かった。
個室にはいるとアラレちゃんは速やかに僕の服を脱がせてくれた。
慣れた手つきだ。
僕も負けじとアラレちゃんのオーバーオールを脱がそうと手をかける

「じぶんでぬぐからいいのだ」

こんな喋り方だっけ……?
アラレちゃんはするすると服を脱いでいく
いつものカボチャパンツが露わになった
無論、色気など皆無である
さっさと済まして早くここを出たいと思った。
というかそれ以前にアラレちゃんが「プレイ」できるのかどうか
不安でならない。

「あの、ちゃんとできるんですか……?」

僕は恐る恐る尋ねた
アラレちゃんは僕の質問の意味が分からなかったのか
口を縦に丸く開け、ほよよ〜。と言った。

「いや、ちゃんとプレイできるの?」

僕は少しいらいらして言った。
アラレちゃんは、ほよっ?っと言って首をかしげる

「ぷれいってつおい?」

長い溜息が出た。
質問の意味をまるで理解していない
というか会話にすらなっていないのである。
ちょっと頭がイっている娘なのだと思ったのでもう僕は諦めた。
彼女のいつもやる通りに任せるしかない

「まあいいや。気にしないで」

とだけ吐き捨て、僕は簡易ベッドで大の字になった
アラレちゃんは分かったような分かっていないような表情で、
小さな籠からローションを取り出した。否、それはローションではないようだ
ローションの入れ物にしてはあまりにも先が細い
どこかで見たことのある形……哺乳瓶である。
そしてその側面にはアルファベットの「A」
間違いない。あれはロボビタンAである。
アラレちゃんはロボビタンAをグビグビと飲み始めた
客の目の前で食事をとる風俗嬢。この間にもプレイ時間は刻々と減っているのである
最悪なのに当たった。さすがに僕も頭に血が上る

「客の前で食事はないんじゃないの?」

アラレちゃんの動きがピタっとやんだ。
そしてゆっくりと口を開けると、そこには口腔内に溢れんばかりのローションがたまっている
僕は驚いた。アラレちゃんはその哺乳瓶から食事を飲んでいるのではなく
ローションを口に含んでいたのである
僕は恥ずかしくなって下を向き、ああ、そういうことねと呟いた。
そんな僕の発言は一切気にせず、
アラレちゃんはニッコリと笑うと、僕を押し倒した。
そして口からローションを少しずつ出し
僕の全身をテカテカのヌルヌルにしてしまった。
新しい快感。こいつ、デキル……
そう感じた刹那、アラレちゃんの口は大きく開かれ
僕のちんちんはその中に吸い込まれていった





帰り際、僕はアラレちゃんにチップを渡した。

「ばいちゃ」

という彼女の挨拶を、僕は背中で受け止めた。
女は色気だけじゃない。
ギャップなんだ。
僕は新たなジャンルに足を踏み入れてしまったのかもしれない。
チップはその教訓を教えてくれた僕からの受講料なのだ
僕はタバコに火を点け

「風俗の可能性に乾杯だ」

と笑い、空に煙を吐いた
[PR]
by gennons | 2004-10-04 21:24 | 妄想

まさぐる女

共感する人がいないのを承知で赤裸々な心情を綴りました。
ナマモノですのでお早めにお召し上がり下さい。




その日、僕の右隣に座った女はオナニーの真っ最中だった。
右手をスカートの中に突っ込み、
パンツ越しではあるが、明らかに陰部をまさぐっている。
座敷の座布団からは心なしか湯気が立っているように見える
女は吐息混じりに

「と……とりあえず生」

とだけ言った。

僕も今までコンパでは色んな女の子に会ってきたが、
流石にここまで露骨な女を見たのは初めてだ。
ルックスは良かったのだが、気味が悪かったので僕はそれとなく席を離した。
女は僕が離れたのを気にしてか、潤んだ眼で僕を凝視してくる。
顔は紅潮していて息遣いも荒く、時々 んっ と、
抑えきれずにエッチな声が漏れる。

最初のドリンクが来るまでの間、簡単な自己紹介が始まった。
次々と名乗る、知ってるヤツと知らないヤツ。
女はそのときにも手を止めず、陰部をまさぐっていた。
僕も女もそれどころではない。
そして僕に自己紹介の順番が回ってきた。

「け、ケンです。普通に会社員やってます」

僕はそれだけ発表し、すぐにまた女に目を落とした。
次はこの女の番である。

「次はそこのエロいちゃんやで〜」

上村がそう促すと、女は陰部をまさぐりながらも
顔を上げ、

「んっ……あっ……んんあぁ、あたし……ちっ……ちかっ……あぁんっ……ですぅん」

と、女はぎりぎりの自己紹介をしてまた一人の世界へ入っていった。
この女と僕をよそに、なんだかんだでコンパは盛り上がっているようだ。
来ている女の子もかわいい娘ばかりだし、
話のノリも良い。
ただこの空間で、僕と隣の女だけが暗い空気を吐き出していた。

ドリンクが来た。
そして津本が乾杯の音頭を取り始めたのだが
女はオナニーに夢中で気が付いていない。

「かっ乾杯らしいよ」

僕は初めて女に声をかけた。
女は何も言わず、頼りない左手でビールジョッキを持った。
少し震えている

「ではこれから始まる乱交パーティーに、乾杯!」

津本は、えー寒いよー
とかなんとか言われていたが、とりあえず飲みの宴は華やかに開始した。
周りの連中は、休日の過ごし方や好きな音楽の話、
彼氏がいるのかいないのかなんてことを話題に盛り上がっている。
僕は話が振られても、適当に笑って流していた。
他の女の子も綺麗で可愛かったのだが、
今日の僕はそれどころじゃない。
なんたって、隣でオナニーしている女がいるのだから。
僕は女をまともに見ることもできず、
ジョッキを見つめながらタコわさびをちびちびとつまんだ。

胸の詰まるような時間が過ぎていく。
僕はもう、一時間くらいテーブルの角を見ながらビールを飲んでいた。
せっかく楽しいコンパに来ているのに
どうして僕だけがこんな思いをしなくちゃいけないんだろうか。
僕はオナニーの女を気にしている自分が馬鹿馬鹿しくなって
みんなの話に加わっていこうと思った。






「それでさー、全然臭くないの。足。なんかもうがっかりだったよー。」

僕も酒がまわってきたようだ。
自然と口も滑らかになってくる。
僕は昇平の話に笑い転げ、腹を抱えていた。

と、突然、僕の膝に暖かい何かが乗っかった。
それは、ぐしょぐしょに濡れた、脱ぎたてのパンティだった。
そして僕の隣には、畳に仰け反って超音波のような声を上げている女が見える。
女は仰け反りながらも首を起こし、卑猥な表情で僕を見詰めている。
そしてゆっくりと舌を出し、己の上唇を舐めた。

「あの女、お前に気があるんとちゃうか?」

上村がこそっと僕に言った。
そんなことあるかぁと僕は上村を相手にしなかったが
僕はまた女が気になって話に参加できなくなっていった。
だからといって、オナニー中の女を直視することはできない。
そんな女をまともに見るなんて失礼だ!
僕はそう思いこみ、目を逸らす理由付けをしていた。
目のやり場に困るとは、まさにこういうことを言うんだろうと思った。
正直、僕はその女をずっと凝視していたかった。
女の子がオナニーしている現場なんて、今までの僕には無縁のものだったのだから。
僕は下を向きながら、横目で必死に女を見ていた。
すでにちんこははち切れんばかりだ。
それに従って、女も一人、テンションを上げている。
もうイキそうになっているんじゃないのか?
そう思ったとき、女は

「イッ……イクッ……」

と僕にしか聞き取れないくらいの小さな声で悶えた。
女の喘ぎ声はそこから少しずつ大きくなっていく
僕はその声が周りのみんなに聞こえるのではないかとどぎまぎしたが、
僕に出来ることなんて何もない。
女は体を弓のように反らせ、大きく息を吸い込んだ。
来る!でかい声で喘ぐ!
僕はあたふたしながらジョッキの柄を強く掴んだ。

「すいませーん!生もう三つ!」
「イックーーーーー!!!」

間一髪、女の断末の叫びは津本のオーダーによってかき消された

「ラストオーダーだってよ」

という津本の言葉が溜息混じりに吐かれているとき
女の体は電気ショックでもかけたかのように
ビクッ、ビクッっと痙攣した
そして女はよほど満足したのか、体をぐったりと横たえて動かなくなってしまった。
女が最初に頼んだビールは少しも口が付いておらず、何も食べていない。
この女は、一体何をしに来たんだろう……

「おっ、ちかちゃん潰れてるけど大丈夫か?」

テーブルの向かい側から昇平が膝立ちで覗き込んだ

「大丈夫よ。この子、いつもこうして眠っちゃうの。お酒弱いみたいね」

向かいの女が言った。
いつもこうなの?と僕は向かいの女に聞いた。

「そうよ。なんか話にも乗ってこないし、目立たない娘でさ、
でもコンパと聞くといつも来るの。ホントは凄くいい娘なのよ。かわいくて」

会計をするからと、別の女がまさぐる女を起こしていた。
みんなは二次会がどうのこうのと相談している。
女は、そんな話を一切聞いていない様子で、自分の分のお金だけ払うと

「あたし、今日はもう帰るね」

とだけ言ってさっさと店を出ていった。
僕は焦った。
トイレに行くフリをして女を追いかけた。
彼女のパンティを返さなくてはいけないと思った。
でも理由はそれだけじゃない。
外に出て、僕は女を引き留めた。

「あのっ……」

「なあに?」

「いや……、また、会えるといいね」

「そうね。また縁があったらね」

そう言うと。女は足早に駅へ向かって行った。
電話番号も聞けなかった。


二次会のカラオケで、
僕は中島みゆきばっかり歌って場を白けさせた。

帰りの電車の中
僕はポケットの、まだ濡れているパンティを握りしめ
しばらくコンパには行くまいという
脆い誓いを立てた。







だんだん官能小説みたいになってきてる……のは気のせい?
[PR]
by gennons | 2004-10-04 14:29 | 妄想