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彼女のパーツ

忙しいフリが忙しい足草です
あ、今の嘘です。と言う弁解をリアルの為に入れておくところが
いやらしいと専らの評判ですこんにちは。


都合よく当てはまる記事ができてしまったので
れいでぃお君とこの『あなたの好きな体のパーツはドコ?』にTBです



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「私のどこが好き?」

ベッドでうつ伏せになり、上体を起こしながら足をバタつかせるその音が耳についた
隣のデスクでパソコンのキーボードを叩きながら僕は「別に」と言った

「何よ、見もしないで。ちゃんと真面目に答えてよ」

「いろいろ」

「もうっ、じゃあ鼻は嫌い?」

「そうだな。君の鼻は僕の好みとは言えない」

「イジワルね。嘘でも好きだと言えないの?」

鼻の詰まった声で彼女が言った。
皮肉混じりに鼻をつまんで話しているのだろう

「そういう性格なの、知っているだろう?」

「じゃあ手は?」

「手もなぁ、あ、でも右の手だけは好きかもしれないな。指先が長いだろう?でも君の腕は少し細すぎるよ。
足もそうだ。もう少し太った方が魅力的だよ」

そう言うと、彼女は足のバタ足をやめた。少し怒っているのかもしれない

「お世辞の一つも言えないわけ?じゃあ胸は好きでしょう?」

「胸は好きとも嫌いとも言えない。そんなにこだわらない方だから。」

「じゃあ腰とかお尻とか、私の身体に興味が無い訳なの?」

「そうだな……。唇とかは好きかもしれない」

「唇?私の?」

「そう。唇。」

「何よ。私、顔は目に自信があるんだから。唇なんて分厚くて、いやらしい感じがして好きじゃないわ」

「そう?色っぽいと思うけど」

「目は何だか大きすぎる。見られると恐くなるよ。
耳はいつも髪の毛で隠れているからちゃんと見たことないし」

「それは興味がないだけじゃないのよ」

彼女の鼻声が気になった。
いつまでふざけているつもりなんだ

「その鼻声、やめてくれないか」

そう言うと、彼女は黙り込んでしまった
少し言い過ぎたかもしれないなと思ったが、この仕事を終わらせるのが先だ
フォローは後で、たっぷりしてやればよい

最後の一行が書き終わり、メールを先方に送る
僕はノートパソコンを閉じてベッドの方へ振り返った
彼女がいない。
トイレにでも行ったのかな、と思って僕がベッドに近づくと
シーツの上に唇と、右腕が転がっていた
僕が好きではないと言った彼女のパーツは、忽然と姿を消した
僕は、好きな彼女の好きなパーツをしばらく眺め
右手を拾って掌を舐めた
しかしこれはもはや以前の彼女ではない

「右手だけになって……、こんなもの好きになれないよ」

愕然として僕がそう呟くと、彼女の右手はスゥッっと消えてしまった
彼女の中で、僕の好きなパーツだけが残った。
もう、取り返しのつかないことになっていた

唇だけになった彼女を見て、僕は悲しみに暮れた
好きだと言わないと、唇さえも消えてしまいそうで恐かった
僕は小声でごにょごにょとそれらしいことを呟いた

唇はくねくねと身をよじり、器用に床を進みながら
少し開いた窓から外へ出ていった



続きは、これです。



好きなパーツの理由、書いてませんね。
しかも本当に好きなパーツは唇じゃないし
と、最低のコメントを締めにさようなら。


♪・?・?・♪・?・?・♪・?・?・♪・?・?・♪・?・?・♪・?・?・♪

<テーマ>
『あなたの好きな体のパーツはドコ?』

異性・同性・生態種にかかわらず
つい見てしまう、またはこだわる体のパーツを一つだけ挙げてください。

<参加方法>
当記事のコメント&鍵コメ、トラバ、何でもアリで発言する。
人以外(ペット)でも構いません(笑)

 ・好きな体のパーツ
 ・その理由

※ ご自分の名前を伏せておきたい方は鍵コメにてレスください。

<参加締切>
12月4日 23時30分

集計元:犬のいる暮らし、プライスレス。(http://radio69.exblog.jp)

♪・?・?・♪・?・?・♪・?・?・♪・?・?・♪・?・?・♪・?・?・♪
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by gennons | 2004-11-29 16:36 | 妄想

櫛(くし)

昨日は会社を休みました。
というか、寝坊が過ぎて必然的に休みになってしまっただけです
そのツケを今、泣きながら払っています足草、今日も元気ですよ?

恋文企画が盛り上がってきていますね
愛しきセバスチャンも登場しこのような企画までもが!
人生のモテ期をこんなところで使い果たしていいのかどうか悩み中です
しかしどうせ来ないモテ期なら、ON LINEでだけでもモテといた方がいい
なんて開き直りつつありますが間違ってますか?

そしてこの記事は早とちりして出しちゃった返信ではないので
注射注意してください。




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美しい髪をした彼女の視線が、僕の横顔に注がれていた
僕はそんなふうに、女の人に見つめられたことがなくて
気付かない振りをしている
本当はさりげなく振り返り、何か言葉をかけたいと思っていたのだけれど
そんな勇気はどこからも湧いて出てこない
ぎこちない手元で僕がテーブルの食器を片づけていると
緊張のあまりグラスを床に落としてしまった

ぱりん

薄いグラスが静かな音をたてて四方に飛び散った
しまったと思って店長の顔を見ると、
呆れたような怒ったような顔をして
口パクで早く片づけろと言っている

「し……失礼しました!」

焦ってしまって次に何をすればいいのか分からなくて
僕は素手で割れたグラスを拾い集めていた

「そんなことしたら手を切っちゃうでしょう?」

ドキッとして振り向くと、彼女が立っていた
彼女の髪は胸の辺りまでスラッと伸びていて
黒い髪の毛の一本一本が生きているように輝いて見える
ほうきと塵取りを片手に、彼女は薄笑いを浮かべながら
僕のすぐ隣にしゃがみ込んでテキパキとグラスを片づけてくれた
彼女の髪の毛が僕の鼻のすぐ先に揺らめいている
僕は少し鼻息を吸い込んで
彼女の香りを盗み
小さな罪悪感を憶えた

「あ……」

何かお礼を言わなきゃと思って口を開くも
言葉が次いで出てこない
不審な僕を彼女は不思議そうに見つめ

「何?」

と床を掃きながら目を流した

「あ……ありがとう」

僕はしどろもどろに礼を言う

「どういたしまして。早くテーブルを片づけて」

彼女はそっけなく言うと、塵取りを慎重に持って立ち上がった

「か……髪が……綺麗、ですね」

何か言いたい。喋りたいと思った僕はそれだけ言うと顔が熱くなり
もう彼女を見ることができないでいた
彼女は何も言わなかったが
少しだけ笑ったように感じた

店長は僕を嫌な目で睨んだ後、彼女と親しげに話しだした
会話の内容は聞き取れなかったが、客のいないカウンターの中
二人は親密にじゃれ合っている
僕は胸が詰まりそうになりながら
テーブル席の皿やグラスを盆に乗せていた

店長が何やら嬉しそうに笑いながら、汚らしい手で彼女の髪を撫でる
彼女は抵抗する様子もなく目を細め
少し開いた唇の間から息を漏らしていた
彼女の動作が妙に色っぽくて
僕は複雑な心のまま、そこから目を離すことができない



月のない夜道で、僕は煙草をくわえたまま寒空に身を縮めた
最終電車の時間まで、あと二分だと少し焦りつつも
乗れなかったらそれはそれでいいやと考えていた
幸い電車は二分ほど遅れてホームに入ってきた

僕が人気のない車内で椅子の端っこに腰を降ろすと、
ドアが閉まる寸前に彼女が駆け込んできた

「ふぅー、間に合ったぁ」

彼女は僕を見てそう言うと、息を切らしながら笑い
僕の隣に腰掛けた

何かと色々話をしたように憶えているが
何を喋ったのかは忘れてしまった
彼女の方が多く喋っていた気もするし、
僕がたくさん喋った気もする
気が付くと、彼女は僕の肩にもたれかかるようにして寝息を立てていた

彼女の綺麗な髪の毛が、僕の頬に少しだけ触れて、
彼女が身を捻る
僕は彼女にばれないようにそっと
髪の毛を上から指先で撫で下ろした
あぁ…ん……と彼女は身をよじらせて
甘い空気を吐いた
僕はまた、髪の毛一本を指で抓み優しく引っ張った
彼女が更に息を荒めて薄く目を開ける

「なあに?」

眠そうな声で彼女は悪戯に笑う

「あたしの髪、触った?」

「ごめんなさい……」

「いいのよ。でも私は特別な人にしか髪を触らせないの
あなたなら、許してもいいかも」

そして電車が止まり、彼女は立ち上がると振り返らずに降りていく
店長が髪を触っていたことに僕は嫉妬した
僕が特別になるよりも、店長を特別にした彼女が嫌いだった

電車が動き出すと同時に、彼女が改札を出ていくのが見える

改札を出ていった彼女に、誰か迎えが来ているようだったが、
それを確認する前に彼女は僕の視界から消えた

迎えに来ている男が、大きな櫛に見えたのは、
僕が疲れているせいだなと思った





闇雲な方からバトンを貰い受けました

あ、櫛じゃなくてブラシだった。へこー
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by gennons | 2004-11-28 01:12 | 妄想

ドジョウの村山君

三日間風呂にも入らず、ケダモノの形相でパソコンに向かっていると
新入社員の人が社長と共に一人一人挨拶して回ってきた。
次は僕かと思い少し緊張していたのですが
僕を飛ばして別の社員へと挨拶が通り過ぎていきました

臭い?

こんなことくらいでは挫けません。
僕は強くなりましたから。(涙を汗だと弁解しながら)




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寒くなってきたのでお風呂を沸かし、入ろうとしたらドジョウが湯船で泳いでいる

「ヨッ。おれっちドジョウの村山君ちゅうねん。よろしく」

ドジョウの村山君は気持ちよさそうに湯船の中を泳ぎ回っている
数限りなく突っ込みたい所はあったが、とりあえず我慢して一つだけ聞いてみた

「何してるんですか……?」

「何やあれへんがな。おれっちは風呂がめちゃめちゃ好きやねん」

「いや、だから何故に僕の家の風呂に入っているんでしょうか」

「何故も糞もあるかぁ!おれっちが風呂でくつろぐのがそんなにあかんことか!?」

とりあえず「おれっち」という一人称が鼻についた。もう何を聞いていいのか分からなくなってきた

「なんや?おれっちがドジョウやからあかんのか?ドジョウやちゅうだけで、差別するんか?」

「いや、そういう訳じゃないんですけど、今から僕も入ろうと思っているので……」

「あそ。一緒に入るか? 裸の付き合いもたまにはええがな」

「いや…………、遠慮しておきます」

「何や何や。つれへんやつやな」

「後で入るので終わったら教えてください」

「おぅっ!了解了解かしこまりー!終わったら呼んだるからな、居間で渡る世間でもみとけや」

「わ、わかりました……」

疑問や不思議は多々あった。
もっと聞くべきことが沢山あるような気がしていたが何も言えなかった。
納得いかないままに僕は居間に向かう。

「ピン子はなぁ〜ええ女やけどな〜泣くからな〜泣き顔ブッサイクやしな〜。
かずきも大きなってからに。あの糞坊主が……」

風呂でのこだまが響き、僕の背中をずるずる舐めるようで気持ちが悪かった
居間のソファにずっぽりと腰を降ろし、テレビの電源を入れてタバコに火を点ける
どこから入り込んだのだろうか……
いや、それ以前にドジョウって喋ることができるのか。
テレビはどこで見るのだろうか。
ピン子はいい女なのか……
まとまりのない疑問が頭を駆けめぐり、僕を混乱させる
うなじがじんわりと熱くなり、風邪に似た症状が僕を襲った
考えるのが面倒になって、僕はテレビを眺める
毎週見ている訳ではない、ドラマ。
ピン子は三角巾に割烹着姿で泣き笑いを繰り返している
うむ。
どう考えてもいい女には見えない

「おうぃ!!ちょっと、にいちゃん!おーうい!!」

風呂場から妙に上機嫌な声が聞こえた
やっと風呂に入れると思い、僕はのろのろと腰をあげて風呂場に向かった

「おうい!何してんねん!おういったら!」

「わかったわかった。今行きますから」

何故急かされなくてはいけないのだろうか。
風呂が嫌いだった幼少の記憶が蘇る。
そういえば、父親はいつも僕を風呂に入れようと急かしたな
懐かしい気分に浸っていると、村山君がまた声を上げる
どうやらまだ風呂場にいるようだ

「まだ入っているんでしょう?上がったら教えてください」

「おうい。そんなことよりちょっと来てくれよ!」

何だかよく分からないが、まだあがるつもりはないようだ。
僕はやれやれと小声で呟きながら風呂場の扉を開けた

湯船から村山君の尾ひれだけがひょっこりと飛び出している
頭を逆さにして微妙なバランスを保っているようだ
何がしたいのか全く分からず、僕は呆然と村山君を眺めていた
そして村山君はじゃぽんっと湯船から顔を出し
自慢気な面持ちで鼻を鳴らした

「シンクロ」

村山君の一言。
僕が、え?何?と聞き返すと、村山君は得意気に

「ギャグ。新しいギャグ。どう? シンクロ。おもろいやろ?あー苦し。結構つらいわコレ。
20秒が限界のラインやな。何?見てなかったん?もっかいやろか?」

と言うと、村山君は再びじゃぽんっと湯船に頭を突っ込んだ
僕は怒るよりも呆れてしまって、そのまま扉を閉めた
扉の前で僕は膨大な疲労に襲われた
このまま座り込んでしまいたいなと考えていると
村山君がまた声を上げる

「ちょっとちょっとちょっとーー!無視かーーーいっ!」

「もういいですから。変なギャグは。早く上がって出ていってくださいよ」

扉の前で僕は村山君に懇願した。
間を置いても返事がない
少し沈黙が続いて、僕は村山君が可哀想になってきた
そして静かに扉をあけて“しまった”

湯船に村山君の姿はなく、ぶくぶくと水面に泡がはじけている
ドジョウなので溺れる心配はないと思いつつも、僕は若干心配になって覗き込んだ
すると村山君がゆっくりと水面に上がってきて

「ザッパーーーーッ」

と大袈裟な効果音を口で表した

「ゴジラ」

「え?」

「いや、だからゴジラみたいやったやろ?」

「……………………はぁ」

「ほれ、突っ込んでええんやで。こういうときはもうバンバン突っ込んでや。
あれ?自分、突っ込み知らんのん?
これやから東京のモンはなぁ。
あんな、大阪ではな、こんなおもろいギャグ飛ばしたらバンバン突っ込み入るねんで
もうな、こっちおったら誰も突っ込まへんわ。残念ながら。
おれっちがボケてんねやからもう突っ込んで突っ込んで〜
突っ込みないとあかんわ。体調崩すわほんまに。
何でやねん!とかゆうてや。ほれ、何でやねんって、言うてみ?
あ、そん時な、手の甲でバシッっちゅうてはたいてもかまへんねん
ほれ。
ちょっと。聞いてる?自分さっきからサブいわ〜。
おれっち風呂入ってんのにサブいわ。
おれっちの顔みてみ?
もう茹でて真っ赤。
はいっ!ここ突っ込むとこやで!
ほれそうやって…………
東京……道聞いても冷た…………
ヒガシマルの…………
……………………NSC入ったらそんな…………
お前とはコンビ…………
…………テンドンゆうて…………ノリ突っ込みが……………………」




村山君は実に愉しげである
僕には何の話しなのかさっぱりだ
とりあえず疲れを癒す為にもひとっ風呂入りたかったが
この話がいつまで続くのか分からなかったし、
村山君がどうやって湯船から出てくれるのかも分からない
僕は村山君が話している言葉にうんうんと頷きながらバスタブに近づき、
風呂の栓を抜いた
お湯が排水溝にくるくると吸い込まれていき、
水位はゆっくりと下がっていく
村山君は喋ることをやめるばかりか徐々に興奮してきて
大袈裟なジェスチュアを織り交ぜながら水面をばしゃばしゃと波立てていた

「…………ンタウンが……四時ですよ〜だの………………………………ザマカンに変わってから」

とそこまで言ったところで、村山君は排水口につるりと吸い込まれていなくなった
最後まで、一つも彼の言葉を理解できなかった
理解しようとも思わなかった
僕はピン子がいい女である要素に頭を悩ませながら
もう一度風呂に湯を溜めた
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by gennons | 2004-11-25 13:42 | 妄想

実況中継

ちぎってもちぎっても仕事が終わりません(愚痴
スーパーカップ豚キムチに最近からでしょうか、調味油が添付されていました
いつもの癖で三分待ち、フタを開けてすぐに食べてしまったので
調味油が一人寂しく取り残されています
そんな寂しさにも日々耐えて強くなった足草、
恋文に心躍らせながら今回も下品に発進です
できるならば食事をとりながらお読みください。




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さぁ、やって参りましたここ東京駅前公衆スタジアム第三個室便器。
本日はあいにくの雨模様となってしまいましたが
スタジアム内は屋根がありますのでさして影響ないと思われます
山田さん、そのあたりどうでしょうか。

そうですね。その点競技中は問題ないと思いますが、
スタジアム入りする前のお腹に外の気温がいくらか影響しているかもしれません。

そうですか。そのあたり、競技に影響がでるのかどうかが本日の見所となってきますね。

そういうことになりますでしょうか

楽しみですね。
えー、選手が便座にシットダウンしてからもう四十秒ほど経過しますが、
なかなか動きがありませんねー。

シットダウンとはまた色んな解釈ができそうですね
あ、この場合、お腹を下しているか、
慢性の便秘かどちらかの問題がありますね。

この場合どちらの線が有力だとお考えですか?

まあ恐らく下痢の方でしょう。
顔色が著しく悪いようですし、見て下さい、
ああやって時々前屈みになるでしょう。
あれはおなかの痛みを耐えるアルマジロ戦法といいまして
下痢の際によく使われます。

なるほど。
おやここで選手の様子に少し変化が見えてきたようですね。
眉間に皺を寄せて何やら喋っています。
ウッ、でしょうか、イッと発音しているようにも聞こえます。

いや、これは喋っているのではなくうめいているんですよ。
これはそろそろじゃないですか?
さしあたって今、大腸コース8番コーナーを曲がったところかと思われます

来ましたね。
選手の顔色もますます青ざめてきています。
苦しそうな表情です
時々下唇を噛むような仕草を見せていますね

そうですね。
お腹の痛みに耐えようとする自然現象ですね
他の部分に痛みを感じさせれば
お腹の痛みも和らぐと考えたのでしょう

さすがですね。
おぉっと、ここで選手の首筋に血管が浮いてきました
第一波発射でしょうか。
注目の一瞬です

ふんばりどころですね

少し苦戦しているようですが、選手の様子はどうでしょうか

かなり苦しいようですね
何か打開策を練らなければ危ないのかもしれません

選手の呼吸が乱れてきました。
いや、これは乱れているのではないようです
一定のリズムで呼吸しています
山田さん、この呼吸は一体……?

これは面白いことになってきましたね
選手の口が横に二回開き、丸く一回、
ヒィー、ヒィー、フゥー、ヒィー、ヒィー、フゥー、という呼吸を繰り返しています

この呼吸法には何か意味があるのでしょうか

まだ分かりません。
これはラマーズ法という呼吸でして、
母親が分娩の際に用いる呼吸です
が、この競技に使用したのはこの選手が初めてではないでしょうか

どうでしょう。いや、しかし選手の表情が安定してきたようですね

そうですね。しかしまだまだ苦しそうなのには変わりありません

選手、苦しそうです。
こうなったら応援したくなってきましたね。
それ、頑張れ!

応援するのであれば呼吸を乱さないよう、リズムを取って上げては如何でしょう?

それがいいかもしれません
では
ヒィー、ヒィー、フゥー、ヒィー、ヒィー、フゥー、ヒィー、ヒィー、フゥー、ヒィー、ヒィー、フゥー
山田さん、ご一緒に

ヒィー、ヒィー、フゥー、ヒィー、ヒィー、フゥー、ヒィー、ヒィー、フゥー、ヒィー、ヒィー、フゥー、

少し背徳感が否めませんね

そうですね。この応援はやめにしましょう

そうですね。我々は彼の夫ではないですから

おっと今度は選手の上体が上がりましたよ

これはいい調子です
今もう肛門から頭が出ているくらいの状況なのではないでしょうか

それは素晴らしい!
しかし苦しみの表情であることにはあ変わりありませんね

そうですね。危険な状態だと思います

危険ですか?

そうですね。
この状態が続けば肛門がその“開き”に耐えきれず、
亀裂が入ってしまう場合があります


……痔、ですね?

そうです。
ティッシュで拭くと赤く滲むので精神的にもダメージの大きい事故になりかねません

そうなってしまうと第2波を諦めてしまう選手も後を絶たないと聞きますが?

そうですね。いや、しかしたとえ切れ痔になったとしても
最後まで戦い続けてもらいたいですね

選手の口が大きく開かれました
出ているのでしょうか!?

出ていますね、今まさしく肛門をゆっくりと通過しています
そうとう長いものが期待できますね
日本新記録の1m18cmを超えるかどうかに期待がよせられま……



ぁはぁくしょーーーん!!



………………………………

………………………………!???

く……くしゃみでしょうか!!!???
今、確かにくしゃみをしましたね???

そうですね……
信じられません。
脱糞の、それもまさに出ている最中にくしゃみをする選手は
前代未聞です

くしゃみをするとなると、どういうことが起こり得るのでしょう

そうですね。前例がないだけに何とも言いようがありませんが
勢いで切れてしまっている可能性がありますね

しかし山田さん、切れたにしてはまだずいぶんと苦しそうな表情は消えませんが……

そうですね、切れずに残ったのかもしれません。

山田さん……

何でしょう?

あげあしをとるつもりじゃないのですが

ええ、何でしょう?

下痢じゃあないですよね?

まあいまさらそんなこと掘り返したって、憶えている読者も少ないことですから、ながしましょう。

そうですね。

さて、そんなやりとりをしている間に選手の顔がぐずぐずに緩んでいます

無事に発射したようですね

いやぁ、素晴らしい戦いでした

そうですね。スポーツマンシップ輝く美しい脱糞だったでしょう

私、感動しました

これで無事……おや?

どうしました?山田さん

選手の顔色が優れませんね

あらら、そうですね。
まだ残り糞があるのでしょうか?

いえ、あれは……
あれは紙です!!!
紙を切らしています!!

さあ、競技も終盤になって凄い展開になってきました
競技終了かと思われた矢先に思ってもみないハプニングです!
さて、この選手は行ったいどうやってピンチを切り抜けるのでしょうか!

ここは注目したいところですね

選手が立ち上がりました!
いや、中腰で止まっています
かなり焦っている様子で周りをきょろきょろと見回しています!
間違いなく、あの行動はティッシュを探していますね。

しかし周りにティッシュらしきものはないですよ。

おっとここで選手、お尻をふるふると振り回しています

これはまさか……

まさかとは……山田さん、まさかですか???

いや、そんなはずはないでしょう。人として。人類としてあってはなりませんね

そう信じたいとこ……ぐぁーーーーー!
やりました!
そのままパンツを履いたーーーーーー!!!
お尻の気持ち悪さを耐え凌ぎ、
まだ拭いていないウンコだらけの尻に
パンツをかぶせました!
なんという行動でしょう!
だれがこの結末を想像したでしょうか!
もはや人類のなすべき業ではありません!

しかもこの後、彼はデートですからね

そうなんですか!!??
とてつもない勇気を示してくれますね

不安気な顔でデートに向かいましたね

あ、選手、デートの時間に気を取られて、トイレを流していません!

最低な野郎ですね

そうですね。仕方がないので我々で流してあげることにしましょう

優しいですね。私も手伝いましょう
おや……

なんでしょう!
円筒形のウンコを想像しながら便器に向かった我々の目の前にあらわれたのは
なんというウンコでしょうか!

これは……ひょうたん型ですね

ひょうたんです!ひょうたん型のウンコが便器の中にひょっこり顔を出しています!

凄い置き土産ですね

これはもはや芸術と言っても良いのではないでしょうか!?

それは言い過ぎです

そうですね言い過ぎました

しかしどうやればこんな奇抜なウンコができるのでしょうか

これはやはりくしゃみが原因と思われます

なるほど。選手も思わぬ所で高得点を狙ってきましたね

彼の勇気と置き土産に脱帽したところで、本日はお別れの時間になってしまいました

あれ?もう飽きたのですか?
匂いについても実況しなくてはこのサイトの尊厳が失われる気がしますが

そうですね。言うなればアイス病でしょうか

成る程。わかりました。面倒臭さにはかないません
仕方ないですね
以上、東京駅前公衆スタジアムからお伝えしました。

それではまた。ごきげんよう
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by gennons | 2004-11-22 05:06 | 妄想

のんたく

近頃残尿感激しい足草です
今日はアシ君が帰ってくれたので、安心して更新ができます
なんでしょうこの余裕は。
日付が変わって何一つ片づいていないのに。
今回は少しわかりにくいカモしれません。元ネタを知らない方には。
同世代なら知ってますよね?

恋文指名をいただきました。ありがとうございます
これについてどうコメントしていいのかわかりませんが
とにかく光栄に思っております
ナルシストを地でいく僕なので、自分自身に書こうかな



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デコリーーーン!

真夜中の校舎三階、女子更衣室。
例によって僕は「おでこの眼鏡」を眼前に落とした
呪文の声が少し大きかったので周りを警戒したが、大丈夫なようだ

「っていうか、今どき青フチの眼鏡はないんじゃないの?タージンじゃないんだから」

出鼻を挫くように、壁のジャージ(下/二年用)が突っかかってきた

「そうよ。その眼鏡、自分でダサイと思わないの?」

ベンチの下に落ちているブルマーが相槌を打つ。埃まみれの青いブルマーには言われたくない台詞である
ブルマーには「下村」というネームが入っていた
クラスで最も不細工な女の名前だ
僕はそのブルマーを遠くへ蹴飛ばした

「ま。非道いことするわね。名前を見たとたん蹴飛ばすなんて。
だいたいなあに?あたし達に向かって鼻息荒くしちゃって。気味が悪いったらないわ」

ジャージ(下/二年用)が裾を振り回しながらテンポ良く喋っている

「よく見たらあんた、髪型もモサイわね。服装だってセンスのかけらもないし
モテないのがバレバレよ。ああ、そりゃそうか。モテていたら一人でこんな所へ来ないものね。
真夜中に女子更衣室へ忍び込むなんて、暗くて気持ちの悪いむっつり君のあなたくらいしかいないわよ」

「的を得すぎて何も言い返せないです……」

ここで「眼鏡」を使ったことを少し後悔した。ここまでボロクソに言われるとは思っていなかったからだ
僕が小さい頃眼鏡を使ったとき、「モノ」はみんな僕に優しくしてくれたものだった

「何?そのモジモジした態度は。普通ならここで母性本能でもくすぐられるものだけど、
あんたのモジモジは気持ち悪いだけよ」

相手はたかがジャージ(下/二年用)だ。どんなに罵倒されようともいちいち挫けていたらどこへ行っても僕はだめな奴のままであるなと思った

「ところであの……」

「言わないで。分かっているわ。あんたの言いたいことなんて」

ジャージ(下/二年用)は右手で僕を制し、悪戯な目で僕を瞥した

「あたしが誰のジャージか気になっているんでしょう?」

図星だった。今回の目的は一つ。このクラスの、更衣室というバトルフィールドで
クラスのアイドル「あけみちゃん」のジャージをGETすることである

「誰のだと思う?うふふ。教えてアゲナイ。だってあたしが誰のものか教えて、
それがもし下村さんのジャージだったとしたら、あなた、あたしをあのブルマーみたいに
蹴飛ばすのでしょう?」

確かにそう思うだろうな。ジャージ(下/二年用)にもブルマーと同じ末路を歩む可能性を示唆したのは僕だ
どこまでも馬鹿な自分に嫌気がさす
僕はしょんぼりしてうつむくしかなかった

「もしあたしがあなたの探しているジャージだったらどうするのかしら?
頭からかぶる?それともちんちんに巻き付けるの?ノーパンで履くことだってできるわよ」

僕は悩んだ。どれも捨てがたい大技である
僕が唸って悩んでいると、ジャージ(下/二年用)は呆れたように溜息をついた

「あんた、本当に馬鹿ね。その行動で悩むってことはどれもやってみたいっていうことじゃない。
そんなことされてあたしが喜ぶとでも思うの?」

「……嫌なんですか?」

「当たり前じゃない!!あたしは体操用に生まれてきたのよ。あなたの“ハァハァ”のためにあるんじゃないんだから!」

「……ということは……」

「そうよ。あなたに教えられることなんて何一つないわ。おとなしく帰って、お菓子系エロ雑誌でも読んでなさい」

「いやでも僕……ここで帰るわけには……」

「何よ!あんたが興味を示しているのはジャージの持ち主で、あたし自身じゃないんでしょう!?」

今度はジャージ(下/二年用)がうつむいて黙ってしまった
それが何故なのか僕には分からない。
あんなに怒っていたジャージ(下/二年用)はそれっきり喋ろうとしない
それじゃあ、ということで、
僕はジャージ(下/二年用)に名前が書いていないか確かめるべく手を伸ばした

「ちょ……ちょっとどこ触ってんのよ!」

ジャージ(下/二年用)はその裾で僕の手を払いのけようと暴れた
僕はその裾を左手で押さえ、強引にジャージ(下/二年用)の中に手を滑り込ませる

「あんた自分が何やってるかわかっ……ぅん……」

ジャージ(下/二年用)の動きが止まった
そして僕も動けなくなった
緊張した空気
時間にして二秒かそこらの間だったが、
僕たちには長い長い時間のように感じられた
ジャージ(下/二年用)の中に手を入れたまま中を覗く勇気がなかった
それは名前を確かめられないのではない
ジャージ(下/二年用)に対して、何らかの感情が芽生え始めているからだった
ジャージ(下/二年用)は、顔を赤らめたままうつむいて
目に少し涙を溜めているらしかった
僕は小さな(大きな?)罪の意識に苛まれ、ジャージ(下/二年用)の中からゆっくりと手を出した

「……ごめん」

ジャージ(下/二年用)は無言でゆっくりと頷いた

「な……泣いてるの?……」

無神経に、僕がジャージ(下/二年用)の顔を覗き込む
ジャージ(下/二年用)は泣き顔を見られまいとハンガーを横に捻った

「ううん……ちょっと……びっくりしただけ……」

心なしか、声が震えている
僕はどうしていいのかわからなくて、立ちすくむしかなかった
更衣室にはジャージ(下/二年用)の他にも多彩なグッズがある
にも関わらず、僕はこのジャージ(下/二年用)にこだわっていた
それが何故なのかは分からない
こだわっていたことに気が付いたのも、今この時点で、なのだから
シンとする更衣室は、不気味なものだった
微かに聞こえるのは、ジャージ(下/二年用)の啜る鼻の音と、少し乱れた息づかいだけだ
いくらか時間が過ぎて
ジャージ(下/二年用)が大きく息を吐いた
そして僕を上目遣いで見つめてくる
何か言いたそうに口を少し開き
声を出す息を吸い込んでは、苦しそうに飲み込む

「……どうかした?」

僕がそう尋ねると、ジャージ(下/二年用)は深呼吸してから
ゆっくりと口を開いた

「少しだけなら……いいヨ」

最初、意味が分からなかった
しかしよくよく考えてみると、僕のジャージ(下/二年用)に対する願いはただ一つである
名前を見せて貰える
そう思い、僕はまたジャージ(下/二年用)に手を伸ばした
爪の先がジャージ(下/二年用)に触れる

「やっ優しく……」

僕は慎重に、ジャージ(下/二年用)の中に手を入れた
そして生地の裏を隈無く探した
名前を探しながら、だんだんどうでも良くなってきた
誰のジャージであっても、どうでもよかった
このジャージ(下/二年用)は、誰でもないからだ
名前を見つけたが、歓喜も落胆もなかった
僕はジャージ(下/二年用)からゆっくりと手を出した

「名前は……見つかったの?」

僕はジャージ(下/二年用)を無言で見つめた

「蹴飛ばしたり、ちんちんに巻いたり、もって帰ったりしなくていいの……?」

ジャージ(下/二年用)は先までと違う、甘い声色をしていた
声が震えているのは、さっき泣いていたからだなと思った
少し切なくて、少し悲しくて、何かが胸を締め付ける……

「名前は、なかったよ」

嘘をついた僕は、更衣室の扉を開け
ジャージ(下/二年用)に少し微笑んでから
眼鏡をおでこへと上げた





元ネタが分からない人、ごめんなさい
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by gennons | 2004-11-19 04:02 | 妄想

アナウンス

もの凄い疲れています。
死にそうです
嘘です。ぴんぴんしています。
ほとんど更新していないのに、訪問してくれる方スミマセン。
そしてありがとうです
RSSを回るといろいろ新しい企画まぐろおしですね
楽しそうだなぁ。。。と思いつつ躊躇

仕事の合間に少しずつ書いたものが一応できたので載せてみます
多少文に統一感がないのはご愛敬
次の更新の目処は立っていませんが気分が落ち着いたらまたカキマスので
よろしくおねがいします




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疲れ果てていた。
何がって、仕事だ。いつもの仕事、いつもの作業、いつもの疲れ。
何のことはない。昨日とも、一昨日とも何一つ変わったことはないのだから。
僕はぐったりと電車の椅子に腰掛けた。
ふぅっ。
今日は運がいい。
この車内ガラガラじゃないか。
僕は大きく足を投げ出し、
三人分くらいのスペースを占領してゆっくりと目を閉じた。
このまま何処か遠くへ行ってくれないだろうか。
どこか違うところに僕を連れて行ってくれないだろうか。
僕は目を閉じたまま、長い溜め息を吐いた


“あっ…ヤダ…あぁん”


小さな呻き声が僕の眠りを妨げる
夢見心地で遠い空を空想していた僕は現実に引き戻された。
電車の中、僕の癒しの時間を妨げる声に僕は心底憤っていた
社会のマナーを知らない若者だろうか。
僕は車内を睨み付けるように見渡した
あわよくば注意してやろうと。
しかし見渡した車内には老婆が一人と
僕と同じような会社帰りであろうサラリーマンが4人
ヘッドフォンで音楽を聴いている大学生が一人。
女は斜め前にいる老婆のみである。

なんだただの聞き違いか……

だいぶ、疲れているのかもしれない
今日は帰って酒も飲まず、直ぐに寝た方がいいなと思った
そして僕は今一度、目を閉じて長い息を吐いた


“もうすぐ飯田橋よ……”


囁くような甘い声
珍しいなと思った。
車内アナウンスが女の声だったからだ
車掌も女性なのだろうか
しかしそんなアナウンスの仕方があっていいのか……


“降りたい人は降りるといいわ”


偉そうな車掌だ。言葉遣いがおかしい
聞き覚えのある声だ
他の人は違和感を感じないのだろうか
僕は周りを見渡したが、アナウンスに反応している乗客は僕だけだった


“でもあなたはダメ。まだこの電車から出ちゃダメよ”


遊んでいるのか……
しかし誰に対してアナウンスしているんだ、この女は。
終電でもないし、電車を乗り換えようか……


“あなたよ。あなたに言っているの。焦って出ちゃダメ。
もう少し私を楽しませてくれないと、出してアゲナイ。うふふふふっ”


ドキッとした。僕のことを言われている気がしたからだ。
しかしそんなはずはない。冷静に考えれば分かることだ
しかし乗り換える程の問題でもないような気がしたので、僕はまた座席に腰を下ろした


“セクシーなその首筋……あぁっ、むしゃぶりつきたくなっちゃう……”


耳を通して聞こえているのか
それとも僕の脳に直接話しかけられているのか
僕の頭の中に女車掌の囁きが響く
疲れているのだと己に言い聞かせて僕は耳を塞ぐ


“ここまで来てもいいのよ。もう準備はできているんだから……”


分かっていた
耳を塞いだことくらいでこの声が届かなくなる筈はないことくらい
耳を塞いだのは、僕の世間体
誰に見られているわけでもないのに
僕は耳を塞ぐことで自意識を保っていた
声は、己の理性を守るためにかざした両の手を軽々と突き抜けて
僕の頭に突き刺さる
腕が痛くなってくる
蠢く欲望を解き放ちたい
しかし両耳にかざした手を離すと
何かが暴走してしまいそうで怖かった
何もかも、無くしてしまいそうで怖かった


“何を恐れているの? あたしはあなたを待っているのよ……”


「うるさい!!黙れ!この淫乱女!」


僕が突然大声を出したために、乗客の目線が一斉に僕を刺す
興奮して僕は立ち上がっていたようだ
白い目が僕を辱める
我に返った僕は、どうしていいのか分からず

「す……すみません……」

と言いながらうつむいて座席に着いた
顔から火がぼうぼうと出ているようだ
とてつもなく恥ずかしい
それもこれもあの女車掌のせいだ
僕は目を閉じて寝たフリをしたが、腹の中はたくさんの感情がぐるぐると渦巻き
そこに沈んでしまいそうだった
怒り、羞恥、軽蔑……そして期待
少しだけ、怒鳴ったことを後悔している自分がいる
電車の中で不自然な言動をしたことに対する後悔ではない
囁く女の声に対して、自分が黙らせたことに対する後悔
ガタゴトと、電車の揺れる音が響く
いつもの、何事も起こらない日常の車内だ
電車は飯田橋に到着し、ドアが開き、閉まる

「次は〜市ヶ谷〜市ヶ谷〜」

いつものアナウンスが流れる
ただそれだけなのに、僕はとてつもない寂しさを憶えた
声は、やはり僕だけに聞こえていたのだろうか
汚い僕の欲望が声になっていたのだろうか
しかしそんな気はしなかった
あれは、確かに誰かの声だった

「怒鳴ったりして、悪かった」

と、小さな声で呟いた
もうすぐ僕の降りる駅に到着する
駅が近づくにつれて、寂しさが大きくなっていく
もう少し乗っていたい。
名残が生まれ、それは悲しみに変わる

結局僕は、一駅を乗り過ごした
何ら状況は変わることがないのに

もう一度だけ、あの声が聞きたいと思った

電車が駅に到着し、ゆっくりとドアが開く
僕は意を決して立ち上がり、ここで降りることに決めた


“また会えるのを楽しみに、待っているわ”


最後に聞こえた声は、きっと僕の心が産んだものだろうと思った
ホームに立ち、電車が動き出す
徐々に速くなる電車を見送りながら
僕は少し微笑みそして、帰路についた
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by gennons | 2004-11-11 15:53 | 妄想

納豆

とうとう溜め込んでいた記事もこれで最後になりました。
仕事仕事の自分と、記事を書く自分。
その「モード」を切り替えるのに少し時間が必要だと思い知らされましたね
暇になってもすぐに新しい記事が書けるか心配で眠れません
引きこもりすぎのせいか、禁風俗条例を破ってしまいそうになりましたが
すんでのところで耐え抜いた足臭です
褒めてやって下さい




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「ねぇケースケ、あたしのこと、好き?」

白いシャツのボタンをベッドの上で外しながら尋ねる女の身体から
何かの腐臭がした
何だったかな……ああ、やっぱり思い出せない
酔っぱらって帰ってきたら、いつの間にかこの女も付いてきていたのである
名前も思い出せない女を俺が好きな筈はなかった
俺が思い出せないのはこの女の名前と、腐臭の正体だ。
どちらかと言えば腐臭の方が気になっていた
どこかで嗅いだことのある匂い
決していい匂いではないが、耐えきれないものでもない
これは、何の匂いだったろうか
俺は冷蔵庫からビールを取り出しながらくんくんと鼻を鳴らした

「ねぇったら、聞いてるの?」

俺が振り返ると、女はブラジャーを外そうと、手を後に回して膨れ面をしていた
脱ぎ捨てられたシャツと女の間に、幾本かの糸が見える
糸は女の動きに合わせて細くなり、途中で切れて部屋の空間を漂った
俺はビールを一口飲むと、女の横に腰を下ろした
先よりも強烈に匂う
服を脱いだ女の身体から発せられる匂いは、古い実家の匂いがした
ああ、納豆だ
大豆の腐った匂いである
女は納豆の匂いを体中から放っていた
この女、俺と会う前に食ってきたのだろうか

「腹減ってない?」

俺は遠回しに尋ねた
しかし答えはNoである

「何も食べてないなら腹減ってるでしょ。納豆とか好き?」

我ながら良い質問だ
しかしこれも答えはNoである

「あたし納豆チョー嫌い。マジ臭くない?あたしあの匂い無理」

その匂いがあなたから出てますよ
と、喉まで出かかったが止めた

「あたしにも頂戴」

女は俺のビールを取ると、旨そうに喉を鳴らした。関節キスである
缶から離した口に、数本の糸が引いた
女は当たり前のように指でその糸をくるくると巻いて切った
箸で納豆の糸を巻くような仕草
勿論、缶から出た糸ではない
缶ビールを返されたが、もう飲む気になれなかった

「初キッスの味って、その前に食べた物の味なのよ。今だったら、ビールの味ね」

女はそう言いながら俺の首に手を回した
うなじにあたる、ぬるりとした感触
女の顔が近づいた
反射的に俺は顎を引いたが、納豆臭のする唇は俺の唇と重なった
女の舌が俺の口の中で鈍い滑りをみせる
暫くの間、その唇に身を任せるしかなかった
近すぎる距離で女が目を開き、口を離した
糸が引き、顔がもっていかれそうになる
粘りのあるキスは、思ったほど悪いものではなかった
息を止め、匂いさえ克服すれば、新しい快感が得られた

「情熱的なキスは、女をとろとろにしてしまうのよ」

女はそう言ったが、とろとろになったのはむしろ俺の方だ
俺は新しい快感に酔いしれて女を抱きしめ、背中に手を滑らせた
そして腰、腹、胸、首、腿、内股、陰部と全てをまさぐった
全身がぬめりを帯び、暗い部屋の中で時折光る
匂いがなければ、ローションプレイであるなと思った
女の身体は、どこも納豆の味がする
次第に、鼻も慣れてきた
唯一シーツの状態が気になったが、そんなもの取り替えれば良い
抱きしめた身体を離すと、無数の千切れた糸が部屋を舞う
俺は体感したことのない幻想的なセックスに身を投じた



女は終始、眉間に皺を寄せていた
身体を舐める時も、乳房を掌でなぞるときも

俺がぬめりを通過した女の肌は、綺麗な桃色に染まっていった

暗い部屋の中、女から引く糸が赤くなっていく
白かった肌は、もう全身が真っ赤で燃えているようだった

俺が舐め取る肌の潤いと、女の纏うぬるぬるが
彼女の皮膚だと気が付いたとき、女は動かなくなっていた

血塗れの女がぬるぬるのベッドに横たわっている

俺は、ぬるぬるになった自分の腕をさすった
恐怖で悪寒がしたからだ
さすった腕は、軽い痛みを感じたかと思うと
桃色に染まった
このぬるぬるは、女のものではなかった

自分の腕を舐めると、納豆の味がする

俺は鏡を見るために、震える膝でバスルームに向かった

バスルームに辿り着く前に

俺の睾丸は細い糸をひきながら

音もなく床に着地した
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by gennons | 2004-11-02 02:09 | 妄想